ピーター・ドラッカーは、言う(The Effective Executive, p.76, 1967)。
The widely advertised “cure” for this is to structure jobs to fit the personalities available.
But this cure is worse than the disease — except perhaps in a very small and simple organization.
Jobs have to be objective; that is, determined by task rather than by personality.
ややもすると、「そこにいる人」に合わせて職務を構築し直してしまう。
よほど小さく単純な組織でない限り、これは始末に負えない解決法だ。
仕事は客観的でなければならない。
すなわち、そこにいる人の能力にではなく、 なすべき課題によって
定義されるべきなのである。
つまり、果たすべき課題を先に決定し、その課題を果たすことのできる
能力を持った人材をその仕事にアサインしなければならない。
この観点から現在ぼくたちが直面している課題を整理してみると、どうなるか。
いま、最も求められている課題は;
1. 原発を無力化(という表現がいいのかな?要するに、廃棄)する
2. 原発から噴出する放射能をゼロにする
3. 空気汚染をゼロにする、そのための汚染測定とゼロ化への活動
4. 水汚染をゼロにする、そのための汚染測定とゼロ化への活動
5. 土壌汚染をゼロにする、そのための汚染測定とゼロ化への活動
6. 海水汚染をゼロにする、そのための汚染測定とゼロ化への活動
以上6つの課題(task)と、東電という組織内にある知識とは 一致するのだろうか。
しないのではないか。
政府内に、上記6つを解決する知識はあるのだろうか。 ないんちゃうか。
東電に、そして政府に、道義上の責任や、事業者としての責任を問うことと、
上記の課題解決にあたってもらうこととは別問題ではないのか。
もっとありていに言ってしまえば、
問題解決能力のない人に、解決せよ、 と迫っても仕方ないことなのではないか。
ほら、よくあるやん。仕事でミスったやつがいたとする。
彼は、能力がない。だからミスった。
そんなやつに向かって、
「お前がやったんやから、なんとかせい!」 と迫ったところで、
「すみません、もうしません。ごめんなさい」
と 泣きそうな顔をして無意味な電話やメールをするだけ。
解決には、1ミリも前進しない。
そういう場合は、そいつはいったん横にどいてもらって、
解決できる者にことにあたってもらうしかない。
何しろ、時間がない。
放っておくと、また海にジャブジャブ汚染水流すだけだ。
あかんやろ、やっぱし。それって。
で、今回の場合、上記6つの課題を解決できる人を公募するなり
プロフェッショナルで仕事にしている組織を探して、 タスクフォースを組む。
それこそ、21世紀版サンダーバードだ。
彼らが、解決に取り組む。
彼らの報酬は、ぼくたち日本人全員が 一人あたり1,000円出す。
5,000万人が出したとしても500億円。 500億あったら、雇えるやろう。
おつりももらえるかもしれん。
子どもたち、さらにその子どもたちへの責任も考えれば、 いま、ここで
一人1,000円出すのにためらう人は少ないはずだ。
しかも、不安はなくなる。
大本営発表の、ウソだかホントだかわからない「人体に影響はない」 コメントに
うんざりする必要もなくなる。
どうかな? このアイデア。
サンダーバードが出動したら、ぼくたち日本人はもちろんだけど、
世界中の人々が、声援を送りこそすれ、現在のように、非難や 中傷しつづけるなんてこと、
なくなると思うよ。 メンタル面でもさ、とても健康的になるはずやで。