第4次産業革命の真っ最中。

この10年、旅行業界、出版業界、音楽業界がその洗礼を受けた。

「洗礼」とは、「競争のルール」が変わる、ということだ。

昨日までナイスショットだったのが、今日はOBと言われるような

もの。

そしていま、一番顕著にその影響が見えるのは家電業界。

ソニー、パナソニック、シャープの苦境がまさにそれをあらわしている。

大型家電量販店も、競争のルールが変わったことに苦戦している。

「他店より1円でも安く! 安い店があったらチラシをお持ち下さい」

これが成立しなくなっている。

顧客は手元のスマホでネット検索すれば

いくらでも安い店を探せるからだ。

でんかのヤマグチ(→)は競争のルールをいち早く変え、

「売っているのは製品だけではなく、サービス」とした。

大手家電量販店のカスタマーを奪うのではなく、

大手家電量販店では満たされないカスタマーを的にしたのだ。

これが、ドラッカーのいう、「ノンカスタマー戦略」である。

アメリカのサウスウェスト航空は、従来の航空会社(たとえばアメリカン・エアライン)

と同じルールで競争しなかったから成功した。

サウスウェストはバスを利用する顧客に「空で移動する」というオプションを

提案し、支持された。

つまり、他社のカスタマーを奪うのではなく、

他社のノンカスタマーの「不(不満・不安・不便)」を的として

ボールを投げたのである。

あなたがビジネスを「成功(good)」にとどまらず、「大成功(great)」へと導きたいと思うなら、

ノンカスタマーを狙うことだ。