顧客は何らかの「解決」を買う。商品(製品・サービス)のしてくれる解決
を買うのであって、商品を買うのではない。
ココレカ(→クリック!)が売っているのは出産お祝い品だけれど、
顧客が買っているのは
「出産へのお祝いの気持ちを素敵な方法で伝える」
という解決だ。
クレイトン・M・クリステンセン教授はこれを「雇う」
という表現で言っている(*)。
あるファストフードチェーンが、ミルクシェイクの売上低下に悩んでいた。
グループインタビューで顧客に、聞いた。
「ミルクシェイクのどこを改良したら、もっと買ってくれますか?
チョコレート成分を増やす? 価格を下げる? 具を増やす?」
「顧客の声」をもとに改良した。しかし、売上は改善されなかった。
そこでクリステンセン教授の同僚ボブ・モエスタが、
「お客さんがこのレストランに来てミルクシェイクを『雇う』
のは、生活にどんな『用事』ができたときでしょうね?」
つまり、「ミルクシェイクは顧客の何を解決するのか?」
これはとても重要な問いだ。
良い戦略構築は、的を射た問いから始まる。
戦略さえ間違っていなければ、多少戦術がおかしくても、何とかなる。
戦略がまずくて戦術が良い場合、もっとも始末に負えない。
ドロドロと深みにはまる。
ミルクシェイクの「チョコ? 価格? 具?」といった「改良」は戦術に
あたる。対して、「顧客に何の解決を提供するのか?」は、戦略である。
経緯は省くが、結論として、顧客は「朝、通勤の車の中で口にできる楽しみ」
という「解決」を求めていた。「競合」はバナナ、ベーグル、ドーナツだが、
いずれも問題があった。バナナはすぐになくなってしまう。ベーグルは味気ないし、
ジャムをつけるにも、運転中は難しい。ドーナツは指がベタベタになる。
ミルクシェイクはカップホルダーにきれいに収まるし、何より腹持ちがいい。
ドロドロしているから、普通のドリンクみたいにすぐには飲みきれない。
そこで、朝買いやすいような工夫をすること(それはこれまでやっていなかった方法)
で、売上は上がった。
*もう一つの「解決」も発見したが、それはこのブログでは省く。
売上が下がったときの対処で、もっともよくあるのが、提供者サイドからの
視点での改良策検討だ(チョコ? 価格? 具?)。
そうではなくて、「何の解決を提供しているのか?」の視点で見直してみる。
そして、「その解決を提供するにあたって、これまでやっていなかったこと」
を探す。
違う未来が欲しければ、違う動きをしなければならない。
今日、クリスマスイブ。
ぼくはある「解決」のために、これまでと違う「あること」を始めた。
それが何かは、成果が出てから、ここでお知らせしますね!
A Happy Merry Christmas!