休日だから、なぜ働くのかについて考えてみよう。
おそらく、「表現する場だから」じゃないかなあ。
どんな仕事であれ、人間が働くのは、その人の存在を何かしら表現して
いる。
お好み焼屋のおばちゃんも、ジャンジャン横丁で不思議なグッズを露天で
売ってるにいちゃんも、新幹線車内販売のおねえさんも、渋谷センター街
でティッシュ配っている若草青年も、やる気のないタクシー運転手も、
彼らにとって職場は「表現の場」である。
人は周囲に壁を高くめぐらせ、その中に強固にもぐりこんで、せっせと
壁を高くすればするほど、孤独に落ちていく。
自我の強化にはならない。
むしろますます自我が不安定化していく。
それは、ぼくたちの自我が、箱の中にコロン、と転がっている石ころの
ように独立して存在し得るものではなく、他者とのつながりやかかわりの
中で生まれる幻想だからである。
そしてその幻想は自己を表現したがる習性をもつ。
その表現の場が一番わかりやすく、かつ楽しく与えられるのが「働く」
という行為であり、だから人は働きたくなるんじゃないかなあ。
今回の連休で16連休になる人もいるらしいが、本当に大丈夫かなあ。
人間、そんなに強いものじゃないと思う。
風吹ジュンさんが、「5日空いたら、中国へお茶の旅に出る」
と何かで言っていたけど、そういうように、
「働く場がみっちりあって、それで遊ぶ」
のであれば自我は愉しむ。
そうじゃない、メリハリのない休みだけの日々だと、自我が危機に
晒されちゃう。