駐車場の料金を支払おうとカードのつもりで

Suicaを入れてしまい、器械に叱られた。

ようやく支払い、出そうとしたらちょっとポールにすってしまった。

ハンドルを左に切り、通りへ出てしばらく走ったと思ったら

高速入口で渋滞に巻き込まれた。

「厄日やー」

とつい、だれしも思ってしまう。

しかし、これらはすべて、単なる偶然に過ぎない。

駐車場の料金支払マシンの立場に立ったら、

「想定外」のカードが押し込まれ、メイワク以外の

何ものでもない。

「ちゃんとしてや」

と言いたいのをこらえているのだ。

駐車場出口のポールにとってもめいわくだ。

この暑いのに、体こすられて。

車もね、メイワクだよね。痛いし。こすったら。

運転している人間は痛くないものね。

渋滞はゆっくりドライブを楽しむよい機会。

バスケットボールの名手がシュートをたて続けに

入れることを「ゾーンに入った(別名ホットハンド)」というが、

あれは実は、単なる偶然が重なっただけ、という

認知心理学者の研究がある(*)。

入るか、入らないかという1/2の確率が

「たまたま」重なっただけなのである。

それを「ゾーンに入った」と「良い方に解釈」しただけ。

そう考えれば、世の中、悪くない。

起こる事象はすべて「たまたま」なのだ。

起こったことは、すべて偶然。

だとしたら、ラッキーだと解釈した

ほうがいい。

起こったことは、すべていいことなのだ。

これでいいのだ。

* Thomas Gilovich, Robert Vallone, and

Amos Tversky, “The Hot Hand in Basketball:

On the Misperception of Random Sequences”

Cognitive Psychology 17(1985):295-314