可愛いペットが話せたらどんなにいいでしょう。
 
気持ちはわかるが、ロクなことにならない。
 
たとえば、イヌが言葉を覚えたとしても、言うのは
 
「めし、ねる、さんぽ」
 
くらいで、干からびた中年夫婦のおやじみたいになるのがオチだ。
 
しかも抽象的思考が訓練されていないから
 
「さんぽ」の概念を理解するまで5年くらいかかる。
 
いや、一生無理かもしれない。
 
数詞もないから、1つと2つの区別がつかない。
 
数詞は人間に与えられた抽象的思考の最たるもので、
 
パンダ2頭とリンゴ2個とミジンコ2匹が
 
概念的に「2」というくくりで共通する、
 
ということをウーパールーパーにいくら説明しても理解しないだろう。
 
大学出て、会社入って、一番戸惑ったのが「ここは具象の世界」ということである。
 
「大阪市場は価格競争が激しく・・・」
 
と日誌に書き「雑感は不要」と切られた。
 
求められたのは
 
「今期私は***件の受注します」
 
「**社のクマ課長が**の見積もり価格を20%値切ってきました」
 
というような具体である。
 
そう、通常の仕事は具体で進む。
 
いつどこで誰と何する。なぜ。どうやって。
 
5W1Hとかよく耳にしたと思う。
 
21年のコンサルティング経験から言うと、
 
抽象化できる能力を持った人が商売を、自分を伸ばしている。
 
クライアントでも、社員に抽象的思考を学ばせ、
 
日常化した会社は成長している。
 
びくともしない力をつけてる。
 
放っておくと仕事の現場は具体的思考しかやらなくなる。
 
特に気をつけなければならないのは「ちゃんとした会社」だ。
 
ちゃんとした会社がなぜ「ちゃんとしてる」と呼ばれるかというと、
 
職務職責つまり、
 
「君は何をやらなければならないか」
 
がしっかり定義されているから。
 
つまり、君は製品Aを今期これだけ売りなさい、
 
君は総務業務におけるこれこれの仕事を
 
全社で使えるように組み立てなさい・・・・
 
製品Aが市場においてどんなポジションにいるか、
 
そもそも市場がどっち向いてるか、
 
について考えるのは君の仕事じゃない。
 
しかし、抽象的思考をすると、製品Aはもはや時代遅れであり、
 
それは総務業務をよく分析するとわかる、ということもあったりする。
 
営業部と総務部をまたいだ視点が必要なのだ。
 
しかし、通常は営業部の人は営業部のことだけ、
 
総務部の人は総務部のことだけ考えてなさい。
 
まして世の中わかりやすいことが善とされる(池上彰症候群)。
 
しかし、いまのような価値観が180度ひっくり返る時代、
 
具体的思考では商売の屋台骨が崩れる。
 
なぜなら、具体とは、昨日の延長だから。
 
セブン-イレブンを「宅配」しようとか、
 
レシピにしてソフトウェア化して
 
ツイッターやインスタでバズらせようとかいう
 
抽象化はなかなか出てこない。
 
花井 麻耶 の抽象的思考が素晴らしいのだ。
 
抽象的思考には
 
具体的事象から理論を導き出す理学的アプローチと、
 
理論から具体的事象を生み出す工学的アプローチがある。
 
エコシステムの理論から経営者向け塾という
 
MAIDOを生み出したのは工学的アプローチだ。
 
「海の魅力」について話そうと思ったら、
 
やっぱり10年暮らした葉山の海について語りたい。
 
しかしいまの時期、
 
多くの人が一色海岸に集まったらエリアの住民にとっては迷惑である。
 
そこで、抽象と具象を行ったりきたりしながら、話した。
 
それが今日配信のJOYWOWヴォイス「海の魅力」だ。
 
是非抽象的思考と具体的思考の往復をお楽しみください。
 
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島田 絵梨 マリンちゃん、ありがとうございます!