ぼくにしては珍しくアマゾンレビュー書きました。
絶対、おすすめです。
(ここからレビュー)
2025年現在、最もぼくたちが取り組む必要あるのは
ジョブ・クリエイション、仕事の創出だ。
この本は、一見中国のテック企業の事例紹介のようだが、
実は違う。
・どうやってお客さんが「欲しい!」と思ってくれる価値を創造するか
・その武器としてIT(AI含む)をどのように活用すればいいのか
のヒント集だ。
帯に「アメリカはもう古い!」と大書されていて、まったく同感。
たとえばAIの扱い。アメリカはAIがややもすると目的になってしまっている。
言うまでもなくAIはあくまで手段であり、お客さんに喜んでもらう付加価値を増やすために使うものだ。
中国のテック企業はこのAIの活用が抜群にうまいし、理想的だ。学べる。
著者は自ら中国の現場で体験した事例を
「10の決定的変革」と「最重要キーワード」
に整理してくれている。
第1章 「10の決定的変革」=「便利」から「楽しい」に価値基準がシフトしている
「最重要キーワード」=エンターティメント・トランスフォーメーション(EX)
第2章 「10の決定的変革」=ユーザーと企業が「共犯関係」を築いている
「最重要キーワード」=Winの4乗ループ
第3章 「10の決定的変革」=「五感を刺激する」買い物体験で購買意欲を加速させている
「最重要キーワード」=動画ファースト
第4章 「10の決定的変革」=24時間365日、需要と供給の出会いを生み出し続けている
「最重要キーワード」=「空白」をつくらないマッチングシステム
第5章 「10の決定的変革」=「信用の見える化」で共通の評価軸を立てている
「最重要キーワード」=信用スコア
第6章 「10の決定的変革」=「オンライン」と「オフライン」の境界が取り払われている
「最重要キーワード」=スーパーOMO
第7章 「10の決定的変革」=定価にこだわらず利益を最大化する値付けをしている
「最重要キーワード」=ユーザー起点型 ダイナミック・プライシング
第8章 「10の決定的変革」=小さな課題や悩みが1か所に集まり、大きな価値が生まれている
「最重要キーワード」=スイミー戦略
第9章 「10の決定的変革」=「PCレス戦略」で専門性が民主化されている
「最重要キーワード」=テクノロジーのフラット化
第10章 「10の決定的変革」=「ハード」ではなく「ソフト」で差別化が行われている
「最重要キーワード」=シン・ものづくり
都市部の生活者はデジタルに馴染みが深いが、地方都市の中高年層はそれほどでもない。
そこを突く。都市部のデジタル達人たちは大手モールに任せ、「いい製品をできるだけ安く買いたい」地方都市の中高年層に特化した。この戦略が奏功し、EC利用者数で中国ECの巨人アリババを抜いて首位になったピンドゥオドゥオ。
都市部のオフィスワーカーはとにかく忙しい。もはや店舗に行くことすら煩わしい。そこで「欲しいものがすぐ買える」顧客体験を提供する小型自動棚。商品の補充作業は設置したオフィスの管理人などにアウトソーシング。受託した人は時限つきのQRコードで棚の鍵を解除し、商品の補充作業をする。この動作はデータで収集され、それに基づいてフィーを支払う。
このように、「お客さんにとってどんな新しい価値が生まれるか」「そのためにどんなテクノロジーが使えるか」
というアイデア満載の一冊。買わない手はありません。