あなたも講師になれる!vol.18
・・・テレビに出ても、しっかりしたネタを持っていなければ、それこそ消しゴム
のように捨てられてしまいますからね。「あの人はいま」といった番組に出るよう
になってしまう。売れた人は必ず売れなくなるというのが厳しい現実なんですよ。
だから、長く人気を保っている芸人は、必死になって勉強していますよ。
たけしさんにしろ、さんまさんにしろ、すごい精神力を持っていると思いますね。
─ 綾小路きみまろ『有効期限の過ぎた亭主・賞味期限の切れた女房』PHP文庫版
p.143-144
ポッと出の講師なんてものは、誰でもなれる。
歌手の一発屋みたいなもので。
瞬間講師。
でもね、講師として長く続け、継続講師となるためには、やはり
勉強しなければならない。
勉強もせず、何の準備もなく、ただ講師になったら簡単に儲かる、という
のでは、はなはだ不勉強といわざるをえない。
引用した綾小路きみまろの本、たまたま出張先の名古屋で、宿泊先ホテル近所の
コンビニで発見した。
以前から本があるのは知っていたが、彼のギャグは活字で読むものじゃないな、
と思っていたので手を出していなかったのだが、立ち読みでよく見てみると、
「講演」と「半生の記」の二部構成になっている。半生の記が勉強になる。
だから買って、読んだ。やはりすごく勉強になった。
もちろん「企業秘密」だろうから、どうやってネタを発想するとか、
そういうのは書いてない。
でも、最初司会者を目指して上京するも、回り道、回り道して
キャバレーの芸人になり、次に、桜田淳子、森進一、小林幸子などの
歌謡ショーの司会をやり、一人立ちし、ある程度成功もおさめたのに
落語家鈴々舎馬風師匠に弟子入りし、高座で漫談を始め・・・
と、すべてが芸のため。
芸人道とも呼ぶべき生き方、あり方が、すっごく勉強になった。
元気の出ない時、「よし、ぼくもやるぞ!」とエンジンに点火してくれる
ユンケルみたいな本だ。