組織のサイズによって、構造、方針、戦略、行動も変わるべきだ。

ビジネスのサイズには、正しいのと、間違っているのとがある。

サイズを間違うと生産性がダウンし、最終的にはマネジメント

不能になってしまう。

Different sizes require different structures, different policies,

different strategies, and different behaviors. There are right

sizes and wrong sizes for different businesses. The law implies

that there is a finite limit to size beyond which an

organization declines in productivity and ultimately ceases to

be manageable.

— Management:Tasks, Responsibilities, Practices p.638

『マネジメント』より

翻訳は阪本


ここで質問です。

文中、「different」が何個あるでしょう?

・・・なんてね(笑)。

この組織サイズの問題、とても重要です。

起業し、いわゆる「ベイビーな時代」を何とか通り過ぎ、家賃や通信費

や何やらの心配をせずに済んだな、と思ったら、いつの間にか人が増え

ている(笑)。

そしてしばらくすると、また人が増えている。

「おいおい、成長してるじゃん、うちも」

とニンマリするのはいいけれど、サイズが筋肉質で育っているのか、そ

れともただのメタボなのか、しっかりマネジメント・チェックしなけれ

ばなりません。

重要なのは「大きくなる」ではなく、「適正である」。

顧客に価値提供するのに、必要十分なサイズなのかどうか。

一つは常に適正サイズかどうかについて意識していること。

もう一つは ─ 意外かもしれませんが ─ 自分が楽しいかどうか。

ザッポスCEOのトニー・シェイは、起業したリンクエクスチェンジが成長

し、社員数25人を超えた段階で、楽しくなくなったことに気づきました。

自分で創った会社なのに、出社したくない。

hypergrowth(ハイパー成長)のもたらした影でした。

組織のサイズの問題、一見小さなことのように思えますが、実は

致命傷になるほどの、重要マターです。

震災後、大企業だからといって、あるいは、政府だからといって、

信頼できるわけではないし、無条件に信頼なんてできはしない、

と多くの人が思い始めました。人数の多さは、信頼(trust)を

生み出すわけではないという、よく考えてみれば当たり前の

ことに、気づいたわけですね。

*JOYWOWメルマガ 2010年12月15日発行・第119号所収記事に加筆修正