未来を作る新しい才能を発掘する電子メディア出版
おかげさまで、本日開店しました! パチパチパチパチ!
よろしくご贔屓賜りますよう、お願い申し上げます。
以下のインタビューで思いを具体的にお話しようと思います。
— Orange Inc.を始めようとされた動機は?
阪本(以下、太字は阪本)
新しいことをやりたい、というのが第一です。
2009年に、『JOYWOW「あり方」の教科書』を自主制作
した時から、構想はありました。
JOYWOWというか、著者としてのぼくの強みは自分自身が
コンテンツメーカーだということです。
そして、11年出版ビジネスに携わり、自ら30冊本を出させて
戴き、時には出版社営業マンと一緒に書店巡りまでして、
肌感覚で出版ビジネスに詳しくなった、
と思っています。
また、本業がコンサルタントですから、
「出版社がクライアントだとして、いまの状況を改善してほしい
と依頼されたら、自分ならどういうアドバイスをするか」
を常に考えています。考えて、考えて、考えました。
— 常に新しいビジネスチャンスは「不」を探せ、「不満・不安・不便」を顧客
目線で考えることだ、とおっしゃっていますよね。
そうですね。一人の本を愛する読者として、魂込めて書く著者として、何が
「不」なんだろう、と考えました。
「若者の本離れ」なんていう眠たい理由は理由にすら、なりません。
さらに、ぼくが生まれついての起業家である血も騒ぎ出しました。
— 起業家の血、ですか(笑)
言い換えると、ビジネスチャンスを発見する眼です。
出版ビジネスは一見、市場が縮小し、成熟しきっているように見えます。
販売サイド=書店はアマゾンが一強だし、出版社でも儲かっている社と青息吐息の
社との格差がますます大きくなってきています。実はどんな業界でも、そういう時こそ
新しいことに挑戦する大きなチャンスを宿しているのです。
また、本とかCDとか、そういうメディア形態を超えて、新しい動きがあるのも
チャンスに見えました。
— たとえば、具体的にはどういう動きですか?
マドンナがCDではなくライブをビジネスの中心にし、長く契約していたワーナーを
離れてライブネーション社と組んだこと、ポール・マッカートニーがスターバックスで
CDを売り始めたこと、リスペクトする矢沢永吉が東芝から独立して自社レーベルGARURU
レコードを起業したこと、などですね。しかもエーちゃんはGARURU(→クリック)
一発目のアルバム『Rock’n’ Roll』でオリコンチャート3位に放り込むパワーを
発揮しました。すごいよね。
また、村上龍が電子書籍の会社を立ち上げ、そこに瀬戸内寂聴さんが参加した
ということも大いに刺激になりましたね。
— ソーシャルなビジネス環境に出版社が追いついていない、ともおっしゃっていますね
そうですね。さらにもっと重要なのは、その発想を支えるOSです。
基本、出版社は「周回遅れ」の発想をします。前例とかヒット作品という
「企画会議で通りやすい」発想の中で動いています。
前例は作る!
という発想はできません。
だから、『もしドラッカーが女子高生の制服を着たら』とか
『ゾウをかなえる夢』
といった「柳の下のどじょう」タイトルが先にありき
なんです。
ぼくがパーミションでヒットを飛ばしたあとも、こちらが恥ずかしくなる
ようなタイトルの企画が山ほど送られて来ました。
— そうするとどんな問題があるんでしょう?
前例主義では若手の著者の発掘がなされません。
力はあるのに、書く舞台が与えられないのです。
もし与えられたとしても、出版社の意向に沿った書き方、企画の枠組みの中に
押し込められるでしょう。
そういう風にして若い才能が消えて行くのを何人も見て来ました。
音楽の世界でもそうですが、インディーズでライブやっている時はのびのびと
素晴らしいのに、メジャーなレコード会社と契約した途端、「どこかできいたような
音になっちまったなあ」と「小さくまとまって」そして潰されてしまったユニット
を、少なくとも数組、ぼくは知っています。
— 若手の発掘も、されるのですね?
そうです。メディアの可能性はまだまだ大きく、広がりがあると思います。
一緒に未来を作っていける若い才能と出逢いたいですね。
いまから準備して、2012年は毎月新作をリリースできるようにしたいと思っています。
ぼくがやろうとしているのはあくまで「電子メディア」で、「電子書籍」ではありません。
これからどんどん技術が発達していくでしょう。
表現方法も多彩に増えて行くはずです。
楽しみでなりません。
— 期待しています! でも、これからも紙の本は出すんですよね?
出しますよ。
これまでぼくの本を出してくださった出版社には感謝しています。
これからもよろしくおつきあいをお願いしたいと考えています。
いま、『気づいた人はうまくいく!』(日経)の文庫化の仕事を
進めています。紙の本は5歳の時から親しんでいますので、ひきつづき、出していきます。
企画は何本もあるし、オファはいつもありますから。
いつかはOrange Inc.でも紙の本を出すようになるかもしれませんし。
— こちらも楽しみにしています!