6:47am新大阪発のぞみに乗って、一路東へ向かっている。

JOYWOWでミーティングの後、午後は都内でコンサルティングだ。

車窓を眺めながら考えることは、「経験をデザインする」というテーマ。

日本最北端の酒造メーカー国稀を訪問したときのこと、工場見学をこころよく

ひきうけてくれた売店スタッフの女性は、よどみない解説のあと、試飲を

気前よくさせてくれた。日本酒に弱いぼくとドライバーのハヤカツは戴か

なかったのだが、ひるてつは14種類全部をいってしまった(笑)。

結果、何も買わず出てきてしまったのだが(ひるてつ、買えよ!)、

100年を超える建築物の中の空気感、いまでも酒を作っている、

ぴりっ、としまった現役感が、心地よかった。

そして酒蔵を出たところにあるトラディショナルな郵便ポスト。

その先には日本海が広がっている。まるで八代亜紀の唄の世界である。

「経験をデザインする」というのは、建築物のデザインのように、数学や

物理の数式で表現できるものではなく、本来なら形にならない感情のベール

に形を与えようというものだ。そのために、顧客がブランド(製品・サービス)と

接触するタッチポイントを一つずつ書き出し、経営資源をどこに重点投入するのかを

意思決定しなければならない。

チェックインに資源を重点投資するホテルが多いが、実のところゲストが一番

望んでいるのは部屋の空調管理、特に乾燥対策だったりすることがある。

限られた経営資源の重点投入のためにも、顧客行動の観察は必要なのだ。

経営諸表のエクセル表をながめる時間とエネルギーがあったら、会議室を出て、

顧客行動を観察しよう!