商いは人間の業の肯定から始まる

繁昌亭わきにある上方落語協会。いいねえ

大阪天満宮のすべらんうどんでランチし、甘いものが欲しくなったので

天神橋筋商店街へ行き、目についた和カフェ「間に間に」でぜんざいを

食べることにした。ここはタバコ吸い放題である。

垂水商店街の喫茶店ブラジルでもタバコ吸い放題である。

ぼくはタバコは吸わない。

しかし、オッケーなのだ。商店街は、こうでなくては。

日本がおかしくなっている理由の一つが、タバコ問題じゃないか?

タバコを吸うな、というのは、非人間的な考えだと思う。

人間は弱い。

タバコも吸うし、お酒も飲む。エッチもする。暴飲暴食は人生の華だ。

そのあたりを否定して、「正しい人」になって、何になるのか。

「落語は人間の業(ごう)の肯定」と談志家元は喝破した。

繁昌亭わきにある上方落語協会。いいねえ

繁昌亭わきにある上方落語協会。いいねえ

商売もそうだろう。人間が人間を相手にしているのだから、人間の弱さを

すくいとらないで、何が商売だ。

あるホテルの採用ページにいくと「あなたはタバコを吸いますか?」

と聞かれる。わざと「はい」とボタン押すと、採用応募資格なし、と

される。そしてなぜ、喫煙者を採用しないのかについて理路整然と

書いてある。笑止千万である。

ホテル業は人間業だ。

ここの経営者は人間を、本当の意味で愛していないのだろう。

人間を、「お金を運んでくる人か、そうではない人か」という二種類

のものさしでしか、見ることができないのだ。

だから彼のホテル(リゾート)は、つまらないのである。

こういう小粒なビジネスが大手を振っているのなら、それは放っておいて、

きちんと商人(あきんど)して儲ければいいだけの話だ。

繰り返す。

商いは、人間の業の肯定から始まる。

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