クライアントと白熱セッションができた。

素晴らしいマネジメントチームで、彼らの何が素晴らしいかというと、

自己否定力、自己破壊力だ。

「いまのプロフィットを生み出している事業がやがてなくなる」と

恐怖心に似た思いを抱いている。それが彼らをドリブン(駆動)している。

成長する組織の特長が、この「自己否定力」「自己破壊力」だ。

KODAKのチャプターイレブン(経営破綻)は、衝撃的だった。

ぼくが小学生の時、初めて買ってもらったカメラがコダック・インスタマチックカメラ。

自慢だった。コンパクトで、簡単に写真が撮れて。1969年当時、画期的だった。

そのへんのお店で売っている普通のフィルムではなく、専用のカセット型

フィルムしか使えないというのも特別感があって、良かった。

そのKODAK、皮肉なことに、自社が開発したデジタルカメラ技術がフィルム事業を

破壊したのが理由というから残念だ。

同じフィルム事業のFUJIFILMの発展を見ると、やはり、自己否定力、自己破壊力

の違いだと思う。

Kodak Instamatic カメラ。ストロボもかわいかった!

Kodak Instamatic カメラ。ストロボもかわいかった!

一方、「残念な組織・マネジメントチーム」の特徴は、「自己肯定力」だ。

肯定とはいえ、オモテに出てくる表現にクセがあるから要注意だ。

はっきりと「いえ、ウチは儲かってますから。これでいいんです」という表現にならない。

こうだ。

「うちの業界は特殊なんですよ。他ではなかなかないやっかいな規制やらがありまして・・・」

そう、この「特別感」「特殊感」!

これは換言するなら「甘え」であり、脱皮を後回し、あるいは見ないふりしているのだ。

そういう人たちに共通しているのは「変化欲のなさ」である。

ソーシャルへの理解もない。

フェースブックやTwitter、クラウドなんて、手を出す気にならない。

そういう人を見ると、たいてい恵まれた人である。

土地を持っているとか、家賃収入が別にあるとか。

彼らは「過去」を食いつぶして、結果、「未来」を狭めていることに気づかない。