JR大阪三越伊勢丹が好きだ。
理由は、空いてるから(笑)。
三越伊勢丹サイドからすると嬉しくない理由かもしれないけど。
店内の動線(常に工事中でなんだかせせこましい)と、アネックス(メンズ館など)
への動線がひたすらめんどうくさい阪急(阪急の周囲はどうしてああも階段が多いのか。
宝塚歌劇の影響か。そういえば今夜テレビで映画『阪急電車』やるね)、
徹底的に庶民的な阪神(昨日のワイン祭りは素晴らしかった!)、
上階ブランドショップまで地下食料品コーナーのにおいが立ちのぼる大丸より、
ぼくは伊勢丹を好む。
(関係者にとっては残念ながら、ぼくの頭脳の中で『ジェーアールオオサカミツコシイセタン』
という音は浮かんでこない。イセタン、だ)
天井が高く、空気が清浄だからだ。
しかし、伊勢丹は開店一年たって、目標数字の半分くらいしか売り上げがなくて
がっかりしているらしい。
ぼくがもしコンサルタントとしてアドバイスしてくれ、と言われたら1つのやることと、
1つのやめることを提案します。
<1つのやること>
買い物体験の後味を損なっている理由になっているのが、「レジでの支払い経験のまずさ」
がある。簡単にいうと、速度が遅いのだ。social speedという社会学のコンセプトがあって、
エリア(国、地域、都道府県・・・エリアとして成立するのであれば何でも)ごとの
速度を測定した研究がある。それによると、大阪は日本で一番速い。
映画館窓口の切符が出てくる速度、スーパーのレジの処理、人の歩く速さ・・・。
伊勢丹ではレジに商品を持って行ってからが長い。
改善策としては、現在のように「商品を受け取る人」「お金をレジに打ち込む人」などといった
分業制をやめる。一人が先発完投スタイルで、やる。すると速度が上がるのはTOCで実証済みだ。
大阪のおばちゃんは、待てない。
<1つのやめること>
何を勘違いしたのか、各階、エスカレーター付近で必ず店スタッフによる大声の呼び込みが
ある。うるさい。呼び込むから客は来る、呼び込まないから客は来ない、という前提で
やっているのだろうが、前提が間違っている。
「大阪だから、やっぱ、にぎやかに呼び込まないといけないのでは」
と会議で決まったのだろうが、即刻やめよう。
所詮、伊勢丹は阪神のコピーはできないし、する必要もない。
そしてそもそも阪神は、各階エスカレータ前であんなに声高く呼び込みしない。
伊勢丹は伊勢丹。それでいいのだ。ブランドは、美学なんだから。