渋谷駅で、スーツケースを預けようと思った。

西口改札横のコインロッカーが幸い空いていた(渋谷駅構内

コインロッカーが空いているのはまさにラッキーだ)。

小銭入れを見ると100円玉が二枚、50円玉が二枚。

合計300円だが、これではコインロッカーは使えない。

100円玉三枚が、いる。

「両替はキオスクで」と貼紙があるので、

隣のキオスクに声をかけたら

「そういうの、やってないんですよ」

とあっけなく断られた。その言い方に温度がなかった。

要するに、

「何かを買いなさい、そうしないと、一円も儲からない

50円玉二枚を100円一枚へ替えるなんて、しません」

ということだ。

ムカッ、と来たね。

JR渋谷駅西口で商売させて戴いている、ということは、店はそこを通行する

人たちのお役立ちのために存在しているのである。

モノとお金との交換ではない。

「困っている人へのお役立ち」

こそが、キオスクの定義。

両替してくれたら、ペットボトルのドリンク一本も買っただろうし、

これからもぼくは何度も渋谷駅に来る。どうせ買うから、この店で

買おう、とひいきにしたはずだ。

時間がないので、そのままスーツケースをずるずるひきずって行った。

今度同じことがあったら、おばさんに言うセリフは決まっている。

「店、丸ごと、買うたろか」(尼崎弁で)