今ほど商売が簡単な時はないんじゃないか?
なぜなら、世間一般の商売力が低いから。
偏差値の低い学校で一番を取るのが簡単なように、商売力が低いから、
ちょっとの努力で、簡単に「上」に行ける。
2000年、ニューヨークに住み始めて驚いたのが、現場力の弱さだ。
このあたりの経緯は『スローなビジネスに帰れ』(『スロー・ビジネス宣言!』)
に詳しいが、版元が絶版にしているので入手しづらいねえ。
今朝の朝日新聞にミシマ社社長が出ていて、「絶版は読者に失礼だから(うちは)やらない」
と言っていたが、読者だけではなく、著者にも失礼だよねえ。
こういうことをしているから出版業界はジリ貧になっていくんだよ。
ま、だからこそぼくはそこに商機を発見して出版社を起業したんだけど。
いずれ改訂版をOrange Inc.(→)から出すね。
コンテンツメーカーとしての著者にとっては、ラッキーな時代だと思う。
出版社作っちゃえばいいんだから。
出版社はコンテンツもってないから、これができない。
話を戻すと、いま、ビジネスで何に注力すればいいか、たった一つしか
できないとすれば何をすればいいかというと、
商品知識を増やす
これだけで、売上は上がる。
大阪駅前の某百貨店にスニーカーを買いに行き、
「ところで、ニューバランスって、どこがいいんですか?」
と聞いたら
「さあそれは・・・はき心地がとてもいいです」
って答か?(笑)
「これ、日本でいうと、サイズいくつ?」
「ちょっと待って下さい・・」ポケットからメモを山ほど出す。
これで、ぼくの買いたい気持ちが消火した。
ヨドバシカメラのビルに入っている靴屋で、
「この棚のこれ(と、商品を手に取り)、普通にはけるもの?
それとも、特別な競技用?」
「あ。だいじょうぶですよー。フツーにはけます」
どうもイヤなにおいがしたので、しばらくして、他の店員に聞いたら
「これは特別な陸上アスリート用で、普通にはくと筋肉痛がします」
こんなものである。
ぼくは拙宅用の「勢いの強いシャワーヘッド」を、いまだに発見できないでいる。
ネットショップに一度だまされ、某家電量販店店員には適当なトークで買わされ、
これだけ商品があふれている中で、まだシャワーヘッドに出会えていない。
メーカーに問い合わせても、出会えていない。
どうだろう?
商品知識がたっぷりあって、顧客の質問に的確に答えられ、提案のできる
ようにする。
たったそれだけで、顧客の気持ちをしっかりつかまえることができる。
何と楽なのに、どうしてだれもやらないのだろう。
ニューヨーク時代、「現場との距離と給料は反比例する」法則を
見つけた。つまり、現場に近ければ近いほど、給料は低くなる。
日本も、そうなっている。
日本の現場では、人件費は固定費ではなく変動費化している。
どうすればいいのか。
簡単だよね?
「商品知識がたっぷりあって、顧客の質問に的確に答えられ、提案のできるようにする。」これって当たり前の事ですね。
その当たり前ができているんだろうか?
できているつもりでも、それは、自分目線であって、顧客目線で無かったり、自分の持っている「常識」だったりするんだろうな。