人類の偉大な発明は
お金と時間だ。
お金があるからこそ、人は「他人と比べる時にわき起こる感情」を
味わう。それは往々にしてマイナスな感情である。
ねたみ、そねみ。うらやましいなあ・・・といった感情。
「他人と比べるのはつまらないからよしなさい」
という声があるのもわかる。
わかるけど、比べるんだから、仕方ないよね(笑)。
マイナスな感情を味わうことで、それを乗り越える喜びを体験する。
人はだれでも生まれて来た課題を持っている。
商人は、「お金にともなう感情」や「人生の道徳的岐路における意思決定」
について学ぶチャンスに恵まれる。
つまり、学ぶために、商人をやっているのである。
それが商人の生まれて来た課題だ。
思わぬ大金が転がり込んで来たときに、どう生きるか。どう「ある」か。
不正をしてもバレないんじゃないか? という誘惑などにも直面させられる。
商人ほど、その機会に恵まれることはない。
商人は、お金を稼ぐ義務がある。
そして、その稼いだお金によって、
あるいは、思うように稼げなかったお金によって
生まれる感情に向き合い、学ぶのだ。
感情のレッスンによって、「あり方」が磨かれる。
つまり、商人にとって、最大に重要なことは、「あり方(being)」なのである。
時間は、太陽系システムによって、地球に昼と夜が生まれることから、人類が発明した
コンセプトである。
時間のコンセプトによって、赤ちゃんがだんだん大きくなり、青年が老人になり、やがて死ぬ
という「プロセス」をうまく言語化できる。
ついつい「まだ起こっていない未来の出来事」や「もう済んでしまった過去の出来事」
を思い煩い、「Now and Here」(今、ここ)に生きることを忘れてしまう。
インドのある哲学者が「お茶の楽しみ方」は、「今、ここに生きること」と喝破した
そうだが、まさにその通り。
お茶に限らない。ビールでも同じだ。
ビールを楽しむためには「今、ここ」に生きていないと楽しめない。
日本人は、ここに「年末・正月」という新しいイベントを発明することで、川が滔々と流れる
ようなシームレスな時間というものに「区切り」をつけるシステムをカタチにした。
2012年がもうすぐ終わるこの時期に、何となく、書いてみました。
Happy Holidays!