ブランドとはその会社や人がくりかえしやっていることだ。
これは家庭でも同じ。
くりかえしやっていることがその家のブランドであり、文化になる。
大手企業がプレスリリースやサイトで言っていることが何であれ、
人員整理ばかりやっているとしたら、その企業のブランドは人員整理。
いいことばかり言う人がいても、その人がくりかえしやっていることを
みれば、その人がわかる。
初代iPadの3Gが無意味になったので2台分解約に行きたいと、11月から思って
いたのだが、そう思うと身近にケータイショップがなく、それでも
なんとか動線のエリアに見つけた。
年末行ったらスタッフが1人しかいなくて空気が寒かったので、やめた。
昨日、ようやく外出ついでに行く時間が取れたので、行った。
やはり1人しかいなくて、1人の客に集中している(よくいえば、ね)。
「いらっしゃいませ」の声もないから、奥にだれかいたとしても、
ぼくの来店はわからない。
番号札もないから、仕方なくソファに座ってスニーカーのひもを結び直した
りして、待ってた。
しばらくすると、奥から「低く静かに炎上」しているような顔の女性スタッフが
現れ、笑顔のない顔で「どうしました?」。
以前のぼくならここで噴火していたのだが、昨日は違った。
なんだか気の毒になってきたのである。
店舗は薄暗く、疲れが漂っている。
照明のせいではなく、店舗が「終わって」いるのである。
こんなところで朝から晩まで働くのは、さぞかしつらいだろうなあ。
彼女の背中にある背景パネルには、そのケータイブランドで有名な
マスコットの絵が描かれている。手描き。
ということは、マスコットを手描きするような、楽しい時期もあったのだ。
彼女も、もう1人の男性スタッフも、毎日、この「低く静かに炎上」を
くりかえしているのだろう。
せめてぼくの元気な声で、そのくりかえしを変えられたら、と、元気に
説明した。
このケータイブランドは、テレビでどんな楽しいコマーシャルを流しても、
経営者がソーシャルメディアで立派なことを言っても、
それでも、ぼくは思う。
違うと。
現場の人が日々くりかえしやっていることこそが、顧客のこころにイメージを結ぶ
ブランドなのだと。