手元に、1980年3月に買った岩波書店発刊・国語辞典がある。
奥付を見ると1963年初版、1971年に第2版、ぼくの持っているものは
1979年に改訂された「第3版」となっているから、国語の変化に応じて
改版されていることがわかる。
昨日あまりにつまらない映画(ここだけの話、『TED』である)を
観ながら、「早く終われ、終われ」と考えつつ、ふと思いついて
今朝この辞典を調べてみた。やはり「介護」という言葉がない。
「介護」は、フットマーク(→)創業者・磯部成文社長が発明した
言葉だ。「介抱」と「看護」の合成という。
言葉が存在することで、現実も存在し始める。
「花粉症」という言葉が広く使われ始めたのは、ぼくの記憶では1984年頃だが、
それ以前にも、春先にくしゃみをする人はいた。でも、「それって、『花粉症』
という病気なんですよ」と言葉が当てはまった途端、「そういえばぼくは花粉症
かもしれない」「わたしも花粉症なのよ」という「患者」が、ドカン、と増えた。
「ニート」もそうである。江戸の昔から、親戚の中には1人くらい「あのおっちゃん
一体何してはるんやろ・・・」という「家でゴロゴロ人」はいた。それが「ニート」
という言葉が生まれ(1999年)、広く認知されるに及び、「全国で何十万人!」
という「ニート」という現実が生まれたのである。
話をもとに戻すと・・・
ぼくたち商売人の役目は、言葉を創り、現実を創り、ひいては文化を創ることだ。
ブランドでネーミングが重要な理由の一つも、ここにある。
さて、ぼくがこれまで「発明」した言葉たち。数々あるが、一般に使われているのは
次の2つかなあ。
・土足マーケティング
・とんがり
まだまだがんばるぞーーー!