散歩に出たら凍りそうな寒さ。メゲて引き返し、家族から
頼まれていた入浴剤だけ買って会社へ戻り、今日は読書にあてよう。
近所のスーパーへ行き、入浴剤コーナーをなめるように見るが、目当ての
ものがない。
店員さんの数、きりつめられるだけきりつめているから、聞こうにも見当たらない。
仕方ないので、他にも必要なものをカゴに入れ、レジに持っていった
ついでに尋ねたら、レジ女性は、マイクで店内のどこかへ問い合わせ
してくれた。
「すみません。赤ちゃん用のものか何かですか?」
マイクの向こうにいる担当者が聞いているのだろう。
違うと答えている間、もう1人いるレジの女性、さっきまでぼくがなめるように
調べた入浴剤コーナーを調べている。
・・・この空気は、ないな・・・
と思っていたら、やはりなかった。
これで思ったね。
ネットショップ隆盛は、リアル店舗の勉強不足の恩恵を受けている。
また、ぼくのような「ネットショッピング・ネイティブ」(笑)は、
リアル店舗の、今回のような体験を最も嫌う。
「行ってみたら、なかった」
というやつだ。
ひまじゃないからね。
ぼくでなくても、たいていの人は、
「あるのかないのかわからないのに、行ってみる」
ほど、ひまじゃないだろう。
でもさ。
最近、たいていの店で、これが当たり前になってるよね?
きりつめられるだけきりつめた人件費の結果、
店舗スタッフの数の少なさと、
スタッフがいても知識がほとんどない。
店全体の知識量が、価格に比例して、少なくなっている。
昔のリアル店舗の知識量はハンパじゃなかった。
いまの店の蓄積知識量の貧弱なこと。
以前、100均ショップが出た当時、
「常時仕入れができるとは限らない商品を並べているので、お問い合わせ
いただいても、答えられません」
と貼紙をしていた。これは100円という超低価格を実現するために切り捨てた
のが接客サービスと商品知識、という論理だった。
それが、あらゆるリアル店舗で常態となった。
ネットショップは有利である。
事前
の世界だから。
商品を展示するのも、商品に関する知識を解説するのも顧客の来店より事前にできる。
言ってみれば録画の世界。
しかし、リアル店舗はライブだ。
結局、欲しかった入浴剤をアマゾンで検索し、メーカー名を確認、
「ここなら置いているだろう」と目星をつけた店にこれを書いたら買いに行くのだが、
もうそのままアマゾンで買ってしまいたくなった(入浴剤をトラック使って自宅に
届けてもらう、ということをぼくの美学がイエスと言わないのでやらないけど)。
ZONOの新作『Amazon Kindle クリエイティブ読書術』を読んでいて、
読書体験、さらには読書とともにあるクリエイティブな仕事術が途方もなく
広がっているのを感じた。これも、アマゾンだからこそできた、「人類の仕事術の
大転換」だと思う。詳しくは、全部読み終えてから、また書きます。