家のクローゼットを整理していたら昔むかしの
使い捨てカメラが出てきた。
中に何が写っているのか楽しみだが(笑)、
ながめていて、ふと気づいた。
フィルム市場が消えたのは、デジタルカメラやケータイのカメラ
といった新しいハードウェアが普及したこともあるが、
それ以上に大きいのは
写真を使うライフスタイルが変わった
からじゃないか?
どういうことか。
いま、写真を撮る動機は大半が撮ったらすぐにFacebookや
ブログでシェアするためだ。
つまり、写真はデータ、つまりソフトウェアであり、ハードウェア(プリント
された紙)ではない。
これは、写真を撮る(take a picture)という行為を人類が再定義した
ということだ。
これまでの、記録としての写真撮影の動機が上書きされてしまった。
コダックが倒産してしまったのは、紙がデジタルへ移行するのに
ついていけなかった、というだけの話ではなくて、その本質に
あるのは
写真撮影の再定義に気づかなかった
という一点にあるのだ。
同じようなことが出版業界にも起こっている。
本を読む
という行動の再定義が既になされてしまった。
(どういう風に再定義されたのか、ぼくなりにもっているが
ここでは長くなるので割愛します。)
だから出版社はこれまでの定義を上書きして、
新しい定義のもとにビジネスモデルを構築しなければ
いずれコダックと同じ命運をたどることになる。
同じようなことはほかにも起こっていて、
たとえば
晴れ着
結婚式
葬式
ラグジュアリーホテル
航空サービス
郵便サービス
・・・なども、どんどん新しい定義に上書きされている。
大学も再定義が必要になってきている(というよりも時期が過ぎてしまった)ように感じています。