ファッション業界のもともともっている金メッキ的なウソっぽさのおかげで、

カジュアルに低価格の風が吹き荒れている。

990円ジーンズのg.u.(→)とか

4月29日、原宿でオープンしたFOREVER21(→)とか。

g.uについて言えば、どうしてユニクロのままやらず、セカンド・ブランドを創ったの

かな。セカンド・ブランドは、高価格高品質で顧客マインドにブランド資産が既に

出来上がっている場合の方法であり、「安いけど、でも、ま、いっか」ブランド資産

のユニクロにとってはむしろ強化につながるはずなんだけど。

そうそう、本題はこれからで、高級ブランドを大量に買い付け、ネットで

安く販売する、というビジネスモデルをやっているGILT(→)というのがあって、

本社ニューヨーク、日本は3月オープンした。

このビジネスのKFS(成功の鍵)は「仕入力」だ。「準備資金」「仕入チャンネルの

確保」がfatal factor(キモ)。あこがれの高級ブランドが70%引きなどで

手に入るというので人気だが、これをブランド論で考えると、「ブランド・ゲート

(Brand Gate)」とでも呼ぶべきだろう。そのゲートを通ることで、ブランドの

価格が下がる。本ではブックオフが一般書店から、売れ残った本を安く

買いつけて販売するようになったらこれと同じブランド・ゲートになるが、

現実は本の独特の流通機構(再販制度)のおかげで書店は「棚レンタル業」

であり、売れなかった本は出版社に返品すればいい。だから書店員も

育たない、という業界としては負のサイクルを作ってしまっているのだが。

以上、日経スペシャル『ガイアの夜明け』昨日放送分(→)を見ての感想だけど、

g.u.より安くジーンズを作ろうと奔走する西友のバイヤーの姿を見ていて、

「まだこんなことやってんの?」と思った。

GILT日本法人の社長も苦しそうだったしね。

ビジネス1.0は、やはり、人間をしあわせにしないなあ。

それにしても、「gilt」の意味を辞書で確認したら「金メッキ」だって。

「雌豚」というのもあり、思わず苦笑い。