映画『シン・ゴジラ』をMX4Dで観てきた。
MX4D、初体験だが、二回目はないな。
顔、特に右目に水のかかるのが不快で、不要だし、
あれはアトラクションとしてはいいが、作品の楽しさ
つまり観客の想像力を奪い、「ここのシーンはこれが体験
どころですよ」と要らぬアドバイスされているようで
つまらん。大きなお世話である。
『シン・ゴジラ』の感想。
大傑作。
あれは怪獣映画ではない。ゴジラは主役ですらない。
むしろ、現代日本の政治、タテの意思決定システムに
対する痛烈な批判だ。
映画館のエレベーター横にゴジラがいて、そのコピーが
「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」
とある。
ゴジラは「わからないもの」「想定外」のものの代名詞であり、
実のところ、ゴジラでも何でもいい。
Unidentified(なんだかわからない)Xであるなら、
何でもいいのだ。
その、「なんだかわからない」「未体験」「前例のない」
ものに対して、この国のタテの意思決定機関は機能するのか?
結論。
まったく機能しない。
ゴジラがなぜ生まれたのか、ゴジラとは何なのか。
そういう因果は捨てていい。
なんだっていいのだ。
だって、目の前にゴジラがいるんだから。
暴れているんだから。
人が犠牲になっているし、ビルが次々壊されているんだから。
その「なんだかわからないX」に、ちゃんとした組織は機能しない。
全力で取り組むのが、「ごちゃまぜの集まり」たち。
OODAを連想させる。
この国の現実とは、これなのである。
そして、ゴジラは、いまも、大都市のど真ん中で立ち続けているのだ。