「チンパンジーの鏡像認知」という実験がある。
(*読みやすくするために参照文献などの情報は略)
鏡像認知とは、早い話、
鏡に映った自分を自分と認識できる力だ。
人間の赤ん坊はだいたい1歳半から2歳にかけての間に
できるようになる
(オレはつい最近覚えた)。
他の動物で鏡像認知できるのはわずかに
チンパンジーだけである。
犬、猫、象、キリンはできない。
テナガザルやニホンザルも無理。
大事なのは、「なぜ鏡像認知ができるようになるか」だ。
結論から言えば、チンパンジーの実験でわかったのは、
#1 自分以外の誰か他人の存在を知る
#2 自分以外の他人と「触れ合った経験がある」
1はなんとなくわかるよね。
自分以外に誰か別の個体が存在していることを
知ると、鏡の中に映っている個体が
自分ではないかもしれないけど、同種の
個体だと認識できる。
そして、自分が笑うと鏡の中の個体も笑う。
歯をむき出しにするとむき出しにする。
「あ。これ、オレ?」
と鏡の中の個体イコール自分と認識できる。
しかし、大事なのは#2だ。
チンパンジーの実験で、3個体を2グループに分けた。
2個体と1個体。
2個体チームと1個体を隣接した別の部屋に。
しかし部屋の間仕切りは透明にした。
だから互いの動きは見える。
2個体チームは鏡像認知ができるようになった。
しかし、1個体はどうしてもできるようにならなかった。
これ、衝撃だと思わない?
会社に新人が入社した。
「新しい生活様式」に従い、また、社内のコンプライアンス上、
基本はオンラインで教育するとしよう。
しかし、新人にとって一番大事な
社内風土
人の空気感
この会社での動き方
はスクリーン越しにしかわからない。
というか、わからない。
チンパンジー実験にあった
「透明な間仕切り」はスクリーンだ。
やはり、人の教育は、
触れ合う
ことが大事なのだと、あらためて思ったのでした。
写真は昨日の午後。JR大阪駅。
ニート、ひきこもりのわしは、この人混みにびびりまくりました。
「触れ合う」ことが大事だけど、わしはもう、いいです(笑)