マーケティングの仕事をしていて、一番楽しいのはコピーを
考える時だ。
コピーは、一つの言葉遊びであり、遊びが仕事(販売促進)につながるから
面白いのである。
コピーライティングの秘訣の一つに、「自己矛盾」
がある。「黒い白鳥」のような「あれ!?」という注目を呼ぶ
効果がある。
「オロナミンCは小さな巨人です」
は、秀逸な自己矛盾コピーだ。
ヒットした本のタイトルにも黒い白鳥がある。
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」
を読んだら』
は、表紙の萌え系イラスト×ドラッカー×女子マネージャー
という黒い白鳥三連発で、効果抜群だ。
日本語は非常に面白い表現に富んでいるから、さまざまな表現を蓄積して
おくと役立つよ。
たとえば、試合に負けているのに「リードを許した」とかさ(笑)。
黒い白鳥の効果は、ふわりとした面白さが生まれること。
たとえば、「絶賛上映中!」という映画宣伝の常套句がある。
「『絶賛』されていなら宣伝せんでもええやろ!」と、ついツッコミを
入れたくなる。
こういう「ツッコミ期待系」が、楽しくていいね。
「自称」絶賛は、いろいろ使える。
たとえば「絶賛ひきこもり中!」とかやられると、「何でやねん!」と明るく
ツッコミ入れられる。
まこっちゃんこと河瀬誠という人は『戦略思考コンプリートブック』(→クリック!)
大ベストセラーのおかげか、あまり仕事しない(笑)。
コンサルタントとして大成功して、湘南に住んでいる。
彼は自分で自分のことを「エグゼクティブニート」と呼んでいて、傑作だ。
*まこっちゃん、また葉山でビール飲もうね〜。
「格差社会、日本。身長の格差は当店で」(大阪の靴屋)
「オレのセミナーは3D」(阪本啓一)
「ただのベストと思うなよ!」(木村カエラ)
「ただの文庫化と思うなよ!」(阪本啓一の盗作)
「風がちがう」(うちわについていたコピー)
・・・おっと、今日はこんな話がしたかったんじゃなかった!
佐々木繁範さんから直接寄贈戴いた本
今年の2月、出版と同時に戴いておきながら、やれLA出張だの、やれ自宅引越だの、
ビールなうだの、自分の本執筆だのが重なり、じっくり読むのがいまになって
しまった。ごめんなさい、佐々木さん!
いまさらぼくがおススメしなくても、既に多方面で大きな反響を呼んでいる
傑作だけど、この本の中で「メッセージを絞る」と佐々木さんがおっしゃっていて、
大賛成、これってコピーを作るのと同じだな、と思って浮かんだのが、今日のブログの
前半部分。
本書でぼくが一番好きなところは、佐々木さんがソニー時代、当時の大賀会長、出井社長など
そうそうたる幹部がいならぶ厳粛な会議の失敗談。
「会場が静まったのを見計らって、大賀会長が大きく息を吸い込み、
スピーチの最初の一言を発しようとしたまさにその瞬間、
『ピピピピピ、ピピピピピ」と電子音が会場に響き渡りました」
もちろん、その電子音は佐々木さんのケータイ。
どうなったか?
つづきは本(p.117)で。
以前コンサル会社にいた頃に、自社の社長のセミナーのアシスタントをしてて、プロジェクターの電源コードを引っ掛けてしまい、なかなか復旧しないアクシデントに…。
すかさず社長が、『いやぁ、人生は上り坂、下り坂、まさかですねぇ、ほんと困ったもんだ、西川くん!!』と笑いに変えてくれて空気が和らいだ、ということがありました(笑)
機転も重要ですね。