なにかのとき、

鈴木の咲ちゃん(→)が

「**(ある地方名)の若い経営者たち、

いい商品に恵まれて、

人としてもいい人たちばかり。

なのに、

いま一つ、前へ進めない。

どうしてかな?」

という話をして、

ぼくが

「渇きが足りないんじゃないかな」

と返した。

咲ちゃんはわかったような

わからないような顔をしていた。

ぼくも、いま一歩、うまく説明できる

方法はないものかと思って、その場は終わった。

今日、旧知のダイヤモンド社編集者・寺田庸二氏から

寄贈いただいた野村克也さんの本

野生の教育論』(→)

冒頭部分を読んでいて、「これだ!」

と膝を打った。

「知性というものは、根底に野生がなければ

血肉化することはないし、活かされることもない」

という言葉。

そして、1999年、野村さんが阪神の監督になり、

任期の3年かけても一度も最下位を脱する

ことができなかった理由を読んで、なるほど、

と思った。

簡単に言うと、

阪神の選手には、野生、つまり、闘争心や負けじ魂、

向上心がなかったのだ。

このことを、当時の今岡誠選手、

藪恵壹投手の具体的なエピソードで

語っている。

読めば、野球にはまったく興味も知識もない

ぼくでも、納得した(ちなみにぼくは阪神ファン

ではないし、そもそも野球は興味ないので、

どこのファンでもない)。

「感性、すなわち感じる力は、将来の

大きな夢や希望を根底にもっていない限り、

生じない」という野村さんの言葉、

100%同意する。

経営者、起業家としてヤバいのは、

恵まれすぎた環境

にいることだ。

お金があるとか、

バックに大きな組織が控えているとか。

その理由となるキィワードが

野生。

野生があってはじめて、

人は

渇く

のだろう。

咲ちゃん、突破口が見えてきた気がします。

鍵は、「野生」だね。