絶対浮力と関係浮力という概念がある。
尊敬する大和信春さんの編み出した言葉だ。
ぼくはつねづね、現在のビジネス環境はまるで
サーフィンをしているかのような荒波で、
一時も同じ姿をしていない不連続性がある、
と言っている。
そんな荒波をイメージしてみてください。
ここにゴムまりとお椀があります。
ゴムまりはいくら波が荒くても、自分自身に
浮力(絶対浮力)があるから、平気で波の
中で浮きます。
ところが、お椀は、いくら最初に上手に
水面の上で浮くようにしたとしても、
すぐ、沈んじゃうのは想像に難くないよね?
これを関係浮力といいます。
人も同じ。ブランドも、企業も。
自分自身に絶対浮力=絶対実力のある
人は必ずうまくいくし、ブランドも、
企業もうまくいく。
しかし、何らかの関係性の形容詞の
中でしか浮力のない場合、
その関係性が消えてしまえば、
たちまち沈んでしまう。
その関係性とは
・学歴
・ルックス
・所属企業名
・役職
・免許
・資格
・市場シェア
・家柄
・出自
などだ。
そして人は老いてくると結局
絶対浮力に落ち着く。
「会社勤めしていた頃、常務してまして」
と定年後のボランティア・コミュニティで
つい言っちゃうおとーさんは、関係浮力を
はぎとられ、あたかもパンツ一丁で
人の輪の中にいることにしばらくは
気づかない。そして、イタい人に
なってしまうのである。
さて、かくいうぼくはどうだろう。
うーむ。
「声の大きいヘンな人」
になっちゃうかも。トホホ。