ある合宿研修のために、宿泊施設を探していた。

一番最初に浮かんだのは、オフィスから見えるメルパルク横浜。

電柱の左の茶色がメルパルク

電柱の左の茶色がメルパルク

スケジュール、今日しかないので、短パンにポロシャツ、

ビリケンシュトックサンダル履きというスタイルだったのだが訪問した。

アポなしである。

フロントを通し、名刺を見せ、営業担当の人へつないでもらった。

出てきたKさんは、ぼくの身なりにも構わず、丁寧に、

会議室をすべて、客室を2タイプ、きちんと案内してくださった。

こころから感謝しながら、予約を済ませた。

ついでなので、以前一度検討したことのある、もう一つのホテル

へと足をのばしてみた。

そこはいわゆるビジネスホテルなのだが、ロケーションがグランドホテル

そばということもあって、なんとなく威張った空気が漂っている。

建物に入る前から、その空気は匂っていて、一歩入るその前に、

自動ドアのガラスの向こうに立っているホテルマンがぼくを足元からアタマまで

じろり、と、ねめまわした。

ふーん。そうなんか。

フロントには「新人」という名札をつけた若い男がいて、名刺を出しながら

営業担当を頼んだら、相当待たされたその上、「今日は席をはずしておりまして・・・」

と、追い払おうとした。どうやらぼくを売り込みだと思ったらしい。しかし。

短パン、ポロシャツ、サンダルの売り込みって、いるのだろうか。

この時点で既にアウトなのだが、せっかく来たのだから、と、思いなおした。

事情を説明し、せめて客室と会議室を見せてほしい、と言った。

客室を見た。

ただ、客室がシングルなのか、ダブルなのか、ツインなのかは当日ホテルが

決めるから、予約段階では保証できない、と念を押された。

彼も仕事なのだろう、そう言うように言われているから仕方ない。

次に会議室を見せてほしい、と言ったら、ホテル館内にはない、

ここから歩いて10分くらいの場所という。

そこは今日見せてもらえますか。

ここではわかりかねます。

じゃ、自分で行って、その施設と交渉する、ということですね。

はい。

わかりました。この話はなかったことにしてください。

ぼくの名刺も返してください。

21世紀の客商売で、いまだにこういうホテルもあるのである。

どないなっとんねん!