志摩観光ホテル伝説のシェフ・高橋忠之さん(既に引退されています)は、
中学を卒業した15歳の春、志摩観光ホテルに入った。いろんな先輩を見て、
「自分はここで働く限り、してはならないこと、しなければならないこと、
この二つに徹していこう」
と心に決めた。
すっごくシンプルだ。
「してはならないこと」というのは、いわゆる業者からのつけ届けを
受け取らない、ということだ。
仕事に取り組むにあたり、シンプルな姿勢を貫く、というのは、とても
貴重で、素晴らしいことだと思う。
もう一つ、高橋さんのエピソード。
ある人が、彼の開発した伊勢海老のスープがどうしてこんなにおいしいのか、
と質問した。
「100人が100人、おいしいと言わない味だからじゃないですか」
いいねえ。