地下鉄銀座線「表参道」駅トイレ。
立って小用をしていた。ぼくは並んだ便器の一番右。
何だか異和感を感じて左を見るとシュークリームのような
しわしわの顔をしたおじいさん。モグモグ口を動かしている。
それはいいのだけど、おおおおおっ!! じいさん、「先」が右に
向いてしまっていて、じいさんの右足とぼくの左足にじいさんおしっこ
のしぶきがドバドバかかってしまっている。じいさんの右足は水たまりの
中。ぼくの左足はあろうことか、一張羅の革靴。人間、年をとると「先の
命中率」が下がるのだ。まあ、ぼくも年取ったらこうなるんだろうなあ、と
いうことで、「相身互い」と鷹揚にこころは平静だった。
ただ、シュークリーム爺のおしっこがかかったままの靴をはくのは抵抗あった
ので、後ろの「大」用個室に入り、トイレットペーパーでフキフキした。
空拭きだけではまだ満足できなかったため、ペーパーを持って洗面台へ
いき、水でしめし、また、個室で拭き取ろうと思って逆戻りしたら、さっき
使っていた個室がふさがっていた。奥が空いていたので、入った。
拭こうとして気づいた。個室の隅っこに、茶封筒が。
四角い形が浮き上がっている。一体何や!?
もしかして・・・爆発するもん? シュークリーム爺のおしっこを拭き取って
いたら爆発に巻き込まれてしまったなんて、何かカッコ悪いなあ。
・・・ともあれ、久しぶりに都内に出るといろんなことに巻き込まれる。