Zappos on CBSこれから話す物語は、ザッポス(Zappos.com)CEO トニーの本
『Delivering Happiness』p.161-162から。ザッポス・カルチャーを支える
コア・バリューの中に
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Deliver WOW Through Service
サービスを通じて感動(WOW)を届けよう
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というものがある。それにまつわる素敵なお話。Surfin’読者にもおすそわけ。
ザッポス社員マーサのエピソード。
1984年、マーサはヨーロッパ7週間の旅をした。アメリカへ帰る最終地ロンドン
に着いた時にはもうあまりお金も残っていなかった。ひと握りの外国コインと、
大切な虎の子の米ドル。
のどが渇いていたので、空港売店でソーダを手にした。
「外国通貨使えます」
の表示があった。安心してレジの行列に並び、いよいよ自分の番になった・・・
思わずソーダを落としそうになった。こんな字が目に入ったからだ。
「外国通貨のコインはダメです。使えるのは紙幣のみ」
レジのキャッシャーにコインを見せてそこを何とかとやってみたが、ラチがあ
かない。いよいよ虎の子のドル紙幣を使うしかないか。
と、突然、後ろに並んでいた紳士が手を伸ばし、ソーダの代金を支払ってくれ
た。
マーサは礼を述べ、コインを渡そうとしたが紳士は拒んだ。彼は、「私にはい
いから、今度はあなたがこれから偶然出会うだれかに親切のギフトをしてあげて
くださいと言った(random acts of kindness for others)」。
この、ロンドン空港での、見知らぬ紳士との出来事が長くマーサの中に残った。
時は移って2008年。
マーサはウォルグリーン(ドラッグストア・チェーン)のキャッシャーの行列に
いた。長いお買い物リストをチェックしながら。
後ろに買い物数の少ない人が二人並んでいたので、彼らを自分より先にいかせた。
マーサの番になり、キャッシャーはたくさんあるマーサの買い物と格闘していた。
と、その時、彼女の後ろに年配の男性が並んだ。見ると、ピーナツ2缶と軟膏、
リップクリームを手にしている。
マーサは振り返り、その品物を渡してください、と言った。男性は戸惑いの表情
を見せ、理由を聞いた。マーサはいつかロンドン空港で知った言葉「偶然出会う
だれかへの親切」(random acts of kindness for others)と言おうとして、思
わず口をついて出た言葉は「偶然出会うだれかへの感動ギフトですよ」(It’s a
random acts of WOWness)だった。ザッポスで働くようになって、知らずしらず
のうちに、「kind」が「WOW」へと席を譲ったようだ。WOWnessとは文法的には間
違いだが構うものか。キャッシャーは男性の品物をスキャンし、バッグに入れ、
渡した。
キャッシャーは「偶然の感動ギフト」(random act of WOWness)について話
してくれ、と聞いてきた。
マーサはロンドン空港での出来事を話した。
「それはわかった。でもどうして今日は’親切’じゃなくて’感動’ギフトなんだい?」
マーサはザッポスで働いていること、そしてザッポスのコア・バリューに「WOW」
が入っていることを話した。
店を出た時、マーサはなんとも不思議な気分になった。WOWをシェアしたから
だけではない。同時に二人にシェアしたこと、そして彼らが今度は感動のギフト
を誰かにバトンしてくれたらいいと考えている自分に気づいたからだ。
数日後、夜勤明けの朝7時、ウォルグリーンのドアを入った。
「おはよう、マーサ!」
見ると先日のキャッシャーだ。
「私の名前を覚えているなんて!」
「君のクレジットカードの名前を控えていたんだ。ぼくに『偶然の感動と親切ギ
フト』のことを教えてくれた恩人の名前を忘れたくないからね」
おかしなことに、今度は彼がマーサに感動のギフトをくれたのだった。

This post is the same contents of my mail magazine”Surfin'”

that was distributed yesterday.

これから話す物語は、ザッポス(Zappos.com)CEO トニーの本

『Delivering Happiness』p.161-162から。ザッポス・カルチャーを支える

コア・バリューの中に

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Deliver WOW Through Service

サービスを通じて感動(WOW)を届けよう

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というものがある。

それにまつわる素敵なお話。

ザッポス社員マーサのエピソード。

1984年、マーサはヨーロッパ7週間の旅をした。アメリカへ帰る最終地ロンドン

に着いた時にはもうあまりお金も残っていなかった。ひと握りの外国コインと、

大切な虎の子の米ドル。

のどが渇いていたので、空港売店でソーダを手にした。

「外国通貨使えます」FOREIGN MONEY ACCEPTED

の表示があった。安心してレジの行列に並び、いよいよ自分の番になった・・・

思わずソーダを落としそうになった。こんな字が目に入ったからだ。

「外国通貨のコインはダメです。使えるのは紙幣のみ」

NO FOREIGN COINS.PAPER CURRENCY ONLY

レジのキャッシャーにコインを見せてそこを何とかとやってみたが、ラチがあ

かない。いよいよ虎の子のドル紙幣を使うしかないか。

と、突然、後ろに並んでいた紳士が手を伸ばし、ソーダの代金を支払ってくれ

た。

マーサは礼を述べ、コインを渡そうとしたが紳士は拒んだ。彼は、「私にはい

いから、今度はあなたがこれから偶然出会うだれかに親切のギフトをしてあげて

くださいと言った(random acts of kindness for others)」。

この、ロンドン空港での、見知らぬ紳士との出来事が長くマーサの中に残った。

時は移って2008年。

マーサはウォルグリーン(ドラッグストア・チェーン)のキャッシャーの行列に

いた。長いお買い物リストをチェックしながら。

後ろに買い物数の少ない人が二人並んでいたので、彼らを自分より先にいかせた。

マーサの番になり、キャッシャーはたくさんあるマーサの買い物と格闘していた。

と、その時、彼女の後ろに年配の男性が並んだ。見ると、ピーナツ2缶と軟膏、

リップクリームを手にしている。

マーサは振り返り、その品物を渡してください、と言った。男性は戸惑いの表情

を見せ、理由を聞いた。マーサはいつかロンドン空港で知った言葉「偶然出会う

だれかへの親切」(random acts of kindness for others)と言おうとして、思

わず口をついて出た言葉は「偶然出会うだれかへの感動ギフトですよ」(It’s a

random acts of WOWness)だった。ザッポスで働くようになって、知らずしらず

のうちに、「kind」が「WOW」へと席を譲ったようだ。WOWnessとは文法的には間

違いだが構うものか。キャッシャーは男性の品物をスキャンし、バッグに入れ、

渡した。

キャッシャーは「偶然の感動ギフト」(random act of WOWness)について話

してくれ、と聞いてきた。

マーサはロンドン空港での出来事を話した。

「それはわかった。でもどうして今日は’親切’じゃなくて’感動’ギフトなんだい?」

マーサはザッポスで働いていること、そしてザッポスのコア・バリューに「WOW」

が入っていることを話した。

店を出た時、マーサはなんとも不思議な気分になった。WOWをシェアしたから

だけではない。同時に二人にシェアしたこと、そして彼らが今度は感動のギフト

を誰かにバトンしてくれたらいいと考えている自分に気づいたからだ。

数日後、夜勤明けの朝7時、ウォルグリーンのドアを入った。

「おはよう、マーサ!」

見ると先日のキャッシャーだ。

「私の名前を覚えているなんて!」

「君のクレジットカードの名前を控えていたんだ。ぼくに『偶然の感動と親切ギ

フト』のことを教えてくれた恩人の名前を忘れたくないからね」

おかしなことに、今度は彼がマーサに感動のギフトをくれたのだった。