2000年春、独立して、最初にコラム原稿のお仕事を発注してくださったのが

『ぷらっと』編集部。神戸西部、垂水・須磨・西区・明石(大久保以東)

限定の生活エリアマガジンだ。

ぼくは尼崎駅前の潮江商店街(ダウンタウンのふるさとでもある)に

育ててもらったようなものだから、よろこんで連載をお引き受けした。

以来、一回も休んでいないので「阪本啓一の商店街物語」は『ぷらっと』

誌の通算号数と全く同じ連載回数になっている。最新号で141回。

2000年春、その日は寒くてね。朝から雪がちらついている中、

編集部をお訪ねし、ご挨拶した。

今回の「大阪への自主転勤」ご挨拶は、いの一番にお伺いするべきが、

ぐずぐずしていて、今日になってしまった。

でも、事前に連絡を入れると師走の忙しい編集部に余計な気を遣わせる。

だまって奇襲と決めた。

いざ垂水に着いてから、場所がうかんでこず、一瞬焦ったが、とりあえず商店街

に入れば何とかなるだろうと入ったらやはり何とかなった。

入ってすぐにあるメンズ洋服店の店先を掃除している若手経営者らしき人に

「ぷらっとどこですか?」

と聞いたらすぐに「ああ、ぷらっとなら・・・」

と教えて下さった。さすがぷらっと!

編集部は大歓迎してくださった。

高嶋社長、天満編集長をはじめ皆さんとご挨拶でき、ラッキーだった。

突然の訪問にもかかわらず、あったかく迎えて下さって、本当に嬉しかった。

高嶋社長と ぷらっと編集部にて

高嶋社長と ぷらっと編集部にて

編集部をおいとましたあと、商店街を散歩、編集部おすすめの喫茶店

ブラジルで早めのランチ。

まだ11時すぎというのに、店内に入ったら「一階はほぼ満席やから、上どうぞ」

と、「準備中」の立て札がある階段を上がったら、どこが「準備中」やねん(笑)、

おっちゃんらがタバコ吸ってくつろいでるやん。

しかも奥にはヤンキーらしき子連れママとその友だちがしっかり何か食べている。

今日のランチはチキンカツと長崎皿うどんとごはんと味噌汁。これで750円。

食後のドリンクは150円!

チキンだけど、構わず注文して、出てきたのがこれ。

ブラジルおススメ本日のランチ!

ブラジルおススメ本日のランチ!

すごい量です。

もちろん、味もいい。

食べながら思ったことは、「商店街ってその地域に住む人たちのライフスタイル

全部を飲み込むおおらかさがあるなあ」。

タバコ吸うとか、子ども連れだとか、全部を飲み込んでこその

商店街だよね。

どうも企業主導の店舗は、このライフスタイルをヘンに分けてしまって、結果として

非人間的になっている。それが昨今の日本の「劣化」につながっているんじゃないか?

商店街ががんばってこそ、日本は復活するんじゃないか?

・・・残念ながら、全部食べきれず。

食後は、海岸まで足を伸ばして、葉山以来久しぶりの海を堪能した。

葉山に住んでいる頃は、海がそばにあるのが当たり前だったのにね。

神戸のこのあたりの空気感、葉山とはまた違って、いい。

三宮で下車し、所用を済ませ、さあ大阪へ戻ろうとしたら、歩道にこんなのが。

いいねえ。

All you need is KOBE

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