引越の荷物の中から「発掘」された一冊。
度重なる転居にも居残ったこの本は、80年代の若きビジネスマンだった
ぼくのバイブルだった。
この本を買ったのは入社二年目の秋。当時ボーナスはほぼすべて服に使って
いた。
テイジンメンズショップ、ナカガワ、などお気に入りのトラッドショップで
スーツ、ブレザー、ネクタイ(ラルフローレンのタイは8500円もした!)、
シャツなどを「湯水の如く」買ったものだ。
同期の遠藤君、中野君たちもトラッド好きで、私大出身で垢抜けていた彼ら
がぼくの先生だった。
いつのまにか、ゴルフウェアやポロシャツとチノパンだけのおとーさんに
なってしまったが、それから独立し、ニューヨークへ行って、
いわゆる「自由業」になったため、トラッドの「きちんと感」が
似合わなくなった。わかりやすく言うと「悪く」なったのである(笑)。
悪い人にトラッドやアイビーは似合わない。
だから、いまのぼくはもう、アイビーは着ることができないのだが、
英語の基本に英文法があるように、この本で学んだ基礎がぼくのファッションの
骨格になっている。うん、やっぱり、この本は、永久保存版だね。