パナソニック社内ベンチャー企業が30社を数えるそうだ(→クリック!)。
2001年からベンチャー基金を設けて後押ししている。最大5億円の出資も
受けられる。
ところが、これまで残っている会社は11社。ピーディーシー(→)以外
は儲かってるとはなかなか言い難いようだ。
リンクの朝日新聞記事をソースとして書いているが、「2/3は清算」
という。ぼくの意見では、それでもがんばっている方だと思う。
「記者の視点」コラムで朝日新聞記者は「本社の手厚い支援必要」として、
「本社のロゴや販売網といった経営資源は使わせないケースが目立つ。
経営環境が厳しい今日、本社側の全面的なサポートはますます重要に
なっている。
一定の成果を上げれば本社の役員に迎えるなど、社員の冒険心を
かき立てる工夫があっても良いのではないだろうか」
と書いているが、 I can’t agree with his opinion.
むしろ逆だ。最も成功しているピーディーシーも、分解すれば
Panasonic Digital Communicationsで要するにパナソニックの
看板あっての電子看板ビジネスなのだ(ここ、シャレね)。
パナソニック社員がなぜベンチャーをうまく経営できないかというと、
使う頭と身体が違うから。
大企業社員は、与えられた楽譜通りにきっちり演奏する能力が求められ、磨かれる。
しかしいくらビートルズそっくりに演奏し、歌ったとしても、ビートルズのような
世界をひっくり返すだけの楽曲を一から創造しなければ面白くない。
ビートルズそっくりに演奏することを求めるのが大企業(タテマエは別ね。ホンネの話)。
ベンチャーの成功の鍵は、
楽譜をゼロから創造することだ。
成功する社内ベンチャーを作ろうとすれば、
・資金援助しない(求めない)
・成功しようが失敗しようが、本社には戻れない片道切符(退社する)
・本社のブランド資産はいっさい使わせない(使えと言われても、使わない)
を実行することだ。
Andy Sernovitz(→)が言うように
Great marketing is about brains, not bucks.
優れたマーケティングは頭脳に関する営みなのであり、お金うんぬんの話ではないから。
渇きがあって、初めて、ベンチャーは成功する。
乾いたマーケティング野郎(including women, of course)がなりふり構わずやって、
初めて成功するのだ。