年の瀬でもあるし、2013年を占ってみよう。
いい方法がある。
写真のように、横に1月、2月、3月・・・と月を書き、「仕事」と「家族(私)」の
欄を設ける。スケジュール表を参照しながら、ルーティン以外で、「記憶に残る」
「学ぶことが多かった」出来事を書き出す。
そこまでならスナップショットに過ぎない。
これを「こういう理由だから、こうなった」という「因果関係」でとらえ直す。
すると、静止画(スナップショット)が映画になる。
仕事でいうと、やはり今年は「フォーカス・マーケティング」の理論化(→)と
書籍化(→クリック!)が一番ホットだ。
理論は科学でなければならない。
つまり、再現性と非属人的・・・だれがやっても同じ結果になる必要がある。
水は誰が温めても沸点100℃に達したら沸騰する。これが科学であり、理論だ。
フォーカス・マーケティングは自分で実践した。本のマーケティングで。
結果、みなさんの応援のおかげで、よく売れている。
つまり、「使える理論」であることが実証されたのだ。
そこで、いま、この理論をさらに実践して、精度を高めることが来年の
課題だと考えている。「新しい売り方」(売れ方)について、研究中だ。
このように、因果関係でとらえることで、来年の予測がつくわけだ。
この「因果」の手法はクレイトン・クリステンセン教授に学んだ。
以下、教授の受け売り(『イノベーション・オブ・ライフ』→クリック!)。
「空を飛びたい」と思った人類は何をしたか。
空を飛んでいる鳥は翼と羽を持っている。だから、同じように翼と羽をつけたら
飛べるんじゃないか・・・そう思って実験した。飛べない。
これは「相関」の発想であり、「事例研究」がこれにあたる。
クリステンセン教授いわく「せいぜいいくつかの事例を根拠にしているに過ぎない」。
「何が、何を引き起こすか」という因果関係をつきとめ、利用しない限り、
空は飛べない。
「翼と羽」が空を飛ぶための条件であるなら、コウモリ、ムササビ、チョウも
空を飛べるのは「例外」になってしまう。
1738年、オランダ生まれのスイス人、ダニエル・ベルヌーイが『水力学』に
よって流体力学を「ベルヌーイの定理」として発表したことにより、「揚力」
というコンセプトが生まれた。空を飛べるのは揚力を利用しなければならない
ことがわかった。
これが因果による発想だ。
今年一年起こった出来事を因果でとらえ直す。
「これが起こった理由は、これがあるから」
と理解することで、来年の予測ができる。
もちろん、未来に何が起こるかわからない。
わからないからこそ、面白い。
でも、何が大切か、を見直す機会になる。
ぼくは、クリステンセン教授の前掲書のおかげで、
人生における家族の重要性を再認識した。
2013年、仕事ももちろん全力投球するが、家族との時間を
大切にしたいと考えている。
この振り返りは、
「人生は仕事だけではない。家族あってこそ」
そうあらためて見直すきっかけにもなる。