宗教が広がるメカニズムは、マーケティングの参考になるはずだ。
以下は仮説。
1. 「感染」させるためのウィルス(教義)を作る
宗教なら「教義」、ビジネスなら「商品」。いずれも「コア・アイデア」。
2. ウィルスが感染するに違いないインタレストをもった「たった1人」を感染させる
3. 「たった1人」が同じインタレストをもった人たちをコミュニティ(tribe)に育てる
*ただし、人数は150人まで(→)。マーケティングの成果は、組織作りの成果に関わる。
4. 「たった1人=彼女」はオープンリーダーである。「道」でいう家元。
「家元の模範」として、(ウィルスに感染した)行動する。
メンバーは家元の行動を見て、模倣する。
5. コミュニティメンバー自身もオープンリーダーで、組織「外」にいる同じインタレスト
の人を発見し、感染させる
6. コミュニティ内で、メンバー相互がウィルスを媒介してコミュニケーションする
7. 重要なことは、コミュニティ自身がブランドとして成長するため、背景(コンテキスト)
をしっかり育成させる。背景を森と呼ぼう
8. コミュニティは木。りっぱな木に育てるためには森の生育が欠かせない
たとえば本、たとえば教会、たとえば賛美歌、たとえば映像なども森の生育に
つながる。もちろん、ブランド創りの鉄則「FACE」としての教祖の
存在は必要。
9. ここからがとても重要なのだが、コミュニティメンバー、最初は「お客さん」
かもしれないが、やがてオープンリーダーとしてお客さんではなくなる。
そう、お客さんがいつまでもお客さんであるうちは、そのウィルス(教義、商品)
は拡散する力を持たない。
中小企業や個人の場合、商品企画もマーケティングも同一人物がやることになる。
するとマーケターの仕事は、ウィルス=商品を作り(『たった1人』は誰かを考えながら)、
たった1人に感染させ、森を育成すること。森の中では、メンバーがマーケターとの
関係だけではなく、メンバー同士のコミュニケーションが活発になることで、さらに
森が森として育成されていく。
「お客さんを育てる」とは、
「お客さんがお客さんでなくなる」ようにする行動のことなのである。