写真の本『ライク・ア・ヴァージン』は早くもぼくの「古典」になりつつある
素晴らしい本だ。
昨日、版元の日経BP社三橋さんと別件でお会いしたので見せたら、
翻訳者土方奈美さんのエピソードを教えてくれた。
土方さん、いまは翻訳家だが、その前、日経記者をやっていた。
その頃の話。
スティーブ・ジョブスから電話がかかってきた。土方さん名指しで。
電話を受けた人はさぞびっくりしたと思う。
土方さんは留守だったそうだが、
後でコールバックすると、要件は、
「君をアップルジャパンの広報として雇いたい」
数日前、来日中のジョブスにインタビューしたときの
やりとりで、すっかり気に入られたそうだ。
同席したアップルの人によれば、
「インタビューを受けていて、あんなに上機嫌なジョブスは見たことがない」
とのこと。
ここから先はぼくの考え。
土方さんはおそらく、仕事を「処理」ではなく「生み出す」創造活動
としてとらえ、インタビューしたのだと思う。
インタビュー時間がどれくらいだったのかわからないが、数十分の
ことだろう。その数十分で、「処理」か「創造」が、はっきりとわかる。
(ちなみに『あまちゃん』はわずか13分でも十分濃いコンテンツを伝えられることを証明した)
サラリーマンだから、とか、自営業だから、とか、職業形態って実は関係ない。
その人が仕事に対して、どう向き合っているか、だと思う。
わずか数十分で、伝わるのだ。
*ちなみに土方さんはアップル広報のオファは受けなかったそうです。
これまた、かっこいいね。
本日、たまたまこちらのブログを拝見いたしました。
三橋氏とは日経新聞から日経ビジネスに出向していた際に、同僚として一緒にお仕事をさせていただきました。
こちらの記事では過分なお褒めの言葉をいただき、恐縮しております。ジョブズ氏にスカウト(?)していただいたのは、私の人生のハイライトです(オファーを受けなかったのは、単にアップルのその後の爆発的成長を予見する能力がなかったからですが)。
今は翻訳家になりましたが、また頑張って仕事をしよう、という意欲が湧いてきました! 処理ではなく創造を目指して。
ありがとうございました。