6000年以上前の縄文期、地球温暖化の影響で現在より海面が
5M以上も高く、東京湾(当時はどう呼ばれていたか、わからないが)が
大宮あたりまであったという(出典:竹村真一『地球の目線』PHP)。
そうすると、当時の大宮市民(市民という呼び方はしてないなあ、たぶん)
は「海辺の生活」をエンジョイしていたのだろう。
「ぼくたち、湘南サーファーっすから」と鼻をならしていたかもしれない。
この一件からもわかるように「常識」というものは、「数の多い偏見」に
しかすぎず、氷を触れば冷たいというような物理的現象とは質の異なる現象だと
わかる。しかし、ある業界に長くいると、その業界の文法が「常識」として
身体全体にしみわたってしまう。業界に入ったばかりの若い人でも、先輩・上司
の思考法に触れているうち、どんどん、業界常識がインストールされ、
自分でも気がつかないうちに思考や行動が支配されてしまう。
すると、「もっとよく」「もっとうまく」業界常識の中でパフォーマンスを高めようとする。
真面目な人ほど、そうなる。結果が今のアメリカの自動車産業かもしれない。
クライスラーがついにchap11(チャプター・イレブン、日本でいう会社更生法)の適用を
受けるようになったが、「クライスラー・ブランドの定義」を誤ってしまったんだろうなあ。
業界常識にとらわれないために必要なのは、「本質的思考」である。
たとえば、ブランドを考えるとき、ブランドの「している」こと
ではなく、「ありかた」について考える。それが本質。
エレベータービジネスであれば、「エレベーターという箱をいかにして
たくさん、高く」売るか・またはリースするか、ということにブランドの
焦点を合わせるのではなく、「垂直移動」という「ありかた」に注目
してみる。すると、新たなチャンス(市場)が見えてくる。
なんてね。
写真は、夕暮れのヨコハマ。タワーと雲の対比が面白いので。