大臣が体調不良のため辞任した。

気に入らない。

「辞任」できる人はいいよね、と皮肉のひとつも言いたくなる。

オレ、「辞任」できないもんね。

仕事している人は仕事を通じて

学生は学業を通じて

仕事していない人は仕事していないことを通じて

これすべて修行だと思う。

千日回峰行は片道24キロ、往復48キロ、高低差1300メートルの山道を

9年間1000日、一日も休むことなく歩きつづける行。熱があろうが

歯が痛もうが、親が死のうが、足の指のつめがはがれようが、

理由は一切認められない。自分が勝手に始めたのだから、自分が

決めねばならない。もし不可能になったら、その場で自決するのである。

大臣という職務も修行ではないのか。

ぼくがもう一つ気に入らないのは、「ご高齢だし、仕方ないかな」という

空気が新聞を始め流れていることだ。

違うだろう。

高齢であろうが若かろうが、一度引き受けた職務、たとえ健康が害されようと

とことん、点滴打ちながら、介護されながらでも、やり遂げるのが筋じゃないか。

まどみちおさんは100歳(辞任大臣は、まどさんに比べたら若造である)で、

介護を受けながら、仕事(詩作)に励んでおられる。

この違いは何か。

ぼくはこの正月、あらためて天命(コンサルティングを通じての人の育成)を

かみしめた。天命に恥じぬ生き方をしようと考えている。

間違っても「辞任」(できないけど)なんて、しない。