現在取り組んでいる書き下ろしのブランド論の中で使う必要が
出て来たので、何度も見ているのだが映画「You’ve Got Mail」
のDVDを手に入れた。
「You’ve Got Mail」の児童図書専門書店にはモデル
Books of Wonderのビジネスはブランド・ポジショニングの事例としても、
ウッフィーをgetするビジネス2.0事例としても勉強になる 。
映画の中で、メグ・ライアンが店のシャッターを開け閉めしたり、
レジを使ったりするのは、現実のBooks of Wonderの店をロケ
で使わせてもらっていた。ちなみにトム・ハンクスが新装開店する
ために工事中だったFOX書店は実際には書店ではなく
チェルシーにあるバーニーズ。開店してからは別の店。どこかは
不明。チェルシーに住んでいたことがあって、バーニーズの前
をよく通っていた。
バーンズ&ノーブル書店が1994年にほんの4ブロック先に開店
した時には売上は20%ダウンしたそうだが、持ち直し、持ち直す
どころか大繁盛している。理由は次のようなものだ。ぼくが翻訳した
デブラ・クーンツ・トラベルソ『スモールビジネスマネジメント』(翔泳社)
を参考にしながら分析してみよう。
第一に、ブランドの価値の定義でポジショニングした。
自社のブランドの提供価値を「子どもの本を販売する」ではなく
「子どもの本の知識でお役立ちする」としている。
これはB&Nではできないことである。
第二に、主任昇進の条件を「児童図書の知識を近隣の学校で
教える」としている。これも他にはないとんがったポジショニングだ。
それによって、学校の先生や児童、児童の親とのパイプができる。
もちろん、教えるは学ぶの始めなり、教えることで自ら学ぶ。
つまり、貢献することで感謝され、読み聞かせなどで児童たちにJOYとWOWを
与え・・・という活動によって、ウッフィー・リッチになるのである。
まさにビジネス2.0的あり方である。
写真は夕方散歩で近所のスーパーに行ったときに出会ったわんこ。
あまりかわいくないのだが、思わず写真を撮ってしまった。そういう
意味で、彼はやり手なのかもしれない。