JOYWOW共感セミナー in 横浜 白熱教室。
グランドテーマを「サバイバル」とし、山下公園近くの
会場で開催した。
北海道十勝の鹿追町からハヤカツこと林克也さん(→クリック!)、
と、遠方からも駆けつけて下さった。
ゲストの三人は山中新一さん(しんちゃん)、橋本保さん(クラレ)、松岡亮介さん。
まず、ぼくのテーマ提言講演からスタート。
スライドの冒頭は、19世紀ドイツの社会学者テンニース「ゲマインシャフトとゲゼルシャフト」
の話。人間には社会的な絆が必要で、絆がなければ弱肉強食の、どうしようもない社会になる。
人は居場所のあるコミュニティと、手応えを感じることのできる職が必要だ。
このことは、震災後の日本社会を見ると迫真の迫力で感じられる。
そして、テンニースの考えに強く感銘を受けたオーストリア・ハンガリー帝国生まれの
青年がいた。
彼こそはドラッカーなのだった。
ドラッカーが震災後の日本を見たら、どんなアドバイスをするだろうか。
三つあると思う。
第一に、エネルギー戦略を根本から見直すようにアドバイスするだろう。
特に工場生産能力がKFS(成功の鍵)となる事業の場合は企業の根っこが
ゆるがされている。電力に限らず、水、空気など、エネルギー戦略を
ゼロベースから見直すことを強く薦めるはずだ。
第二に、HRつまり人的資源の戦略も見直しするように言うだろう。
3月12日から4月1日までの間に4万人の中国人留学生が帰国したという事実は、
外食業、コンビニ業における人件費の構造を根底から覆したことを指す。
つまり、固定費の構造が変わったのだ。固定費が変わると、管理会計の視点から
見て、戦略が根本的に練り直しになる。低価格戦略は、まず、打てない。
ドラッカーは、経営の根っこに人があり、人こそ最大の資産だとしている。
「安いだけの理由で外国人を雇う」という安直な戦略を見直しなさい、つまり、ビジネス
モデルそのものを書き直しなさい、と指示するだろう。
そして第三に、商人、商売の根本に帰れ、と。
商人は希望を運ぶのが使命。その本道に戻りたまえ。
ドラッカーはデビュー作『経済人の終わり』(The End of Economic Man)で、1930年当時
資本主義とマルクス主義への二つの絶望が大衆の絶望を生み出し、それが全体主義につながる
国家社会主義を正当化した、とした。それって、まさにいまの日本じゃないか。
本来私企業であるはずの東電のミスで広がった放射性物質汚染の保障にかかる費用
を、顧客である東電管内の生活者(選択肢がないにもかかわらず、無理矢理『顧客』に
なっている!)への電気料金値上げや消費税を始めとする一般国民負担の増税
でまかなおうとしている。
これって、国家社会主義以外の何ものでもない。資本主義というなら、企業である
東電に負担させるのがスジってもんだろう。
しかもその東電、「節電お願いします」と、商品供給で顧客に不便をかけている。
マクドナルドが生産量落ちているから、普段三つ食べるハンバーガーを一つにしてください、
というようなもので、私企業ならあり得ない話である。
げんに主要戦力のアジア系外国留学生が帰国してしまってとても困った
外食レストランチェーンやコンビニはそれでも、家族総出で店に立つなどして
顧客に迷惑の及ばないような努力をしている。
東電はじめ、電力各社に、なぜできない?
事業会社なら、顧客が欲しいだけの商品(電力)を供給する義務がある。
一方、ドラマ化されて評判の『下流の宴』(林真理子)の中で生まれる二つの対立軸
はまさに「経済人」と「新しい価値観」の相克であり、しかも「新しい価値観」の中にも
「幸せな上昇志向」(タマちゃん)と「無力、無気力」(翔)との二つの新しい
相克も描いている。まさに正鵠を射ている。
草食系商人(儲けなくても、そこそこ行ければいい)でもなく、
肉食系商人(儲かれば何やったってええんじゃ!)でもなく、
「幸せな儲かり商人」になろう!
・・・といった内容でした。
実はそれこそが、ずっと言い続けているビジネス2.0の具現化です。
ここまで書いただけで相当の量になっちゃったので、セミナーと懇親会の模様は
参加してくださった皆さん、
プレゼンしてくださったゲストのお三方、
懇親会場でYAZAWAを演出してくださった三日坊主さん(→クリック!)
JOYWOWメンバー(大女将Sammy、女将ゆかり、まるちゃん、のりちゃん)
みんなみんな、ありがとう!