名古屋の地下鉄で、高校生のグループが乗り込んできた。

どこか違うなあ、と思って、何が違うんだろうと観察すると、

身につけているもの、もちものがとても質の良いものを身につけている

ことがわかった。

なかでも光っていたのは、靴だ。スニーカーなんだけど、違う。

彼らの「いい雰囲気」は、靴から出ていた。

そこで思ったこと。

何かをあきらめたり、何かを捨ててしまった人は、靴に出る。

靴の手入れができなくなる。

靴をきちんと揃えられなくなる。

靴ひもがほどけたままはいて、平気になってしまう。

不思議なことに、そうなる。

そして、こころがそうなると、靴も、そうなる。

靴がそうだから、こころもそうなる。

マイナスの循環だ。

ぼくはいま、歯が痛くて、かなり危機的な状況にある。

でも、仕事が詰まっていて、歯医者さんに行けない。

行けないまま、月曜にはLAへ飛ばなければならない。

帰国を早めようとしたが、いいフライトがなく、断念した。

それでもね。ふんばってる。

ふんばって、何をしたかというと、靴を磨いた。

靴を磨けなくなったら、何かが欠けてしまう。

ふんばるために、ぼくは靴を磨く。