たとえば大阪駅北にある大型家電量販店の店員は、
「マンションのシャワーの勢いが弱くて困るんだけど、
シャワーヘッド、どれに替えたらいいだろう?」
というぼくの質問にからきし答えられなかった。
「iPhoneを4Sにしたからこれまで使っていたiPhoneをiPod代わりに
音源としたい。価格は高くていいから、何かお勧めのオーディオ
を教えて」
という質問にもアウトである。
モノは売っている。
「他社より安い!」も売っている。
しかし、「解決」は売っていない。
ソーシャルな時代、これでは商売やっていけないよ。
ぼくの自宅マンションのバスシステムはI社が納めている。
たとえばこうすればどうか。
I社は**マンションに納入したデータを持っている。
製品説明書に、「モノ」としての製品説明だけではなく、
顧客と対話するためのアクセス先を記載しておく。
顧客が求めているのは製品の情報化であり、「我が家へのカスタマイズ」
である。
担当者のメールアドレスかFacebook。
「シャワーが弱い(強すぎる)場合のご相談にはいつでもどうぞ」
B2BがB2Cへと転換するチャンスを創造できる。
あるいは、近くの天神橋筋商店街のお風呂関係を商っている店は、
近隣のマンションのお風呂状態をすべて調べておく。
不動産会社と組めばわかるだろう。
「ああ、**マンションですか。あそこはオール電化ですから、シャワーの
勢いが弱く感じる方がおられますね。そういう場合はこちらのシャワーヘッド
がお勧めです。A社とB社から出ていますが、違いはデザインだけで、性能面は
ほとんど変わりません。よろしければお宅におうかがいして取り替えますよ」
家電販売店も、近隣マンションの部屋を全部把握しておく。
テレビの画面サイズや冷蔵庫の扉を左開けか右開けか正確に提案できる。
そしていずれも、イケメン作業員か思いっきり
高齢だけど知識も客対応もしっかりしている作業員を用意しておく。
制服もかっこいいデザインのものにする。
「作業終了後、記念写真オッケーです」
お客さんは思わず、記念写真を撮る。
「ブログかFacebookに載せます?」と聞く。当然、載せる。
あとは感謝したお客さんが広めてくれるのである。
「イケメンがわたしの家の問題を解決してくれた!」
「商店街も、見直した!」
ここにあるのはディスカバリーの喜びと、それをおすそわけしたい強い動機だ。
ソーシャルは、「Share Society」(おすそわけ社会)。
ターゲット顧客をめがけて(AT)もダメ。
お客さんに広めてもらうのだ。Spread BY Customers!