独立するとき、「反面教師」として、あんな社長にだけはなるまい、と

思ったモデルがいる。

寅さんのタコ社長。

愛すべきキャラクターなのだけど、でも、年がら年中ピーピー言ってる。

どうしてピーピー言ってるんだろう、と不思議だった。

さいきん、理由がわかった。

「ピーピー言ってるから、ピーピー言うような現実を創り出している」

のだ。

現実は言葉や思いを忠実にコピーする。逆はない。

話は変わるけど、人には、悩む人と悩まない人の二種類いる。

悩む人=タコ社長

悩む人はなぜ悩むのかというと、悩むのが好きなのである。

悩まない人がなぜ悩まないのかというと、悩むネタがないわけではない。

悩む人が悩んでいるネタは、人であれば誰しも持っている。

ところが。

ふだん人が空気を意識しないように悩まない人は意識しない。

意識しないから、存在しないのだ。

そう、存在は、意識するから生まれる。

次から次へと、悩みが尽きないのは、次から次へと、悩むネタを意識して

探し出すからだ。

ある女性歌手が、ガンにならないか不安で仕方なかった。

会う人ごとに、なぜ自分がガンになることを心配しているか、なぜ自分は「他の人

より」ガンになりやすい体質なのか、についてとうとうと説明した。

ガンになった。

思うに、彼女は、「ガンになる現実を創り出した」のだ。

悩みをなくす方法は簡単で、「今日からわたし、悩みがなくなった!」と

思えば、一瞬でなくなる。

花粉症を治すのと同じである。

タコ社長、いまもまだ悩んでいるんだろうなあ。