ホリデーシーズンに賑わう梅田を
観察するついでに、妻へ
クリスマスプレゼントを買おう。
そう思って出かけた。
思い立ち、映画(かぐや姫)へ行った。
大阪ステーションシネマから帰るのに、
外は風が強くてしんどいので、三越伊勢丹
の中をエスカレーターで通ろう。
ついでに賑わいを観察していこう。
順におりて、フロアごとに観察していく。
女性服のフロアに行ったとき、目に飛び込んでくる
ものがあった。
商品のオーラがめっちゃ強く、
「プレゼントはこれ!」
と直観した。
近づくと、ショップの女性スタッフが
笑顔でやってきた。
その雰囲気が、素晴らしかった。
(断っておきます。女性として好み、とか
そういう話ちゃうよ)
プロフェッショナルな笑顔。
何でも相談したくなるオーラ。
サイズと価格をきいた。
価格が、予算の倍だったので
「ちょっとぐるっと回ってきます」
と言いおき、次に行った。
行ったが、ずっとその商品が気になっていた。
その後、うめだ阪急へ行った。
なんじゃこれ!? というくらい人がいた。
うめだ阪急にも、三越伊勢丹でみた
のと同じブランドがある。
うめだ阪急だと、ぼくはメンズ館のカードを
持っているから、ポイントが貯まる。
さっきのと同じ商品が、こっちは吊るされていた。
one of them の扱い。
三越伊勢丹では、台の上にディスプレイされていて、
キラキラ輝いていた。
うめだ阪急では、吊るされていて、
なんだか輝きが小さく見えた。
寄って来た女性スタッフ、ぼくの嫌いな
「声を裏返す発声」をしていた。
「ラッシャイマセ〜 ドウゾゴランクダサイマセ〜」
という、裏声というか、口腔奥上で音を出す発声
で、ショップのねーちゃんによくあるやつだ。
彼女から買う気が、しない。
ここで買う気も、しない。
そしてぼくはさっき、
「ぐるっと回ってきます」
と約束してきた。
「定価であろうと、これは三越伊勢丹へ
戻って彼女から買うのがスジ」と判断し、
また人ごみの中をかき分け、かきわけ、JR大阪駅
構内を突っ切って、三越伊勢丹のブランドショップへ
戻った。
ショップの彼女は大喜びしてくれた。
「戻ってきてくださってありがとうございます」
もう一人の女性スタッフもまじって、
奥様がうらやましいとか
素敵とか言われてとても上機嫌になって
いた(笑)。
ぼくはキャッシュで支払ったので、ぼくがだれかもショップサイドは
わからない(カードを使うと、名前がわかる)。
でも、確実に、また来ることになると、お互い、わかっている。
今度は妻と二人で。
ぼくの買い物が、ショップにも、クリスマスプレゼントになって
くれたらいいな、と思う。
2013年の、ささやかな想い出が、一つ、加わった。