ニューヨークに住み始めてしばらく、何か足りない気がしていた。

なんか、パンツをはき忘れて来たようなスースーする感じ。

やがて、気づいた。

ウォシュレットがないのだ。

それが2000年の頃。

当然、「ザ・ウォシュレット」TOTOのみんなも

「おしりを洗う」文化習慣の浸透に努力を重ねた。

結果、2014年3月現在、ニューヨークには

16軒のレストランで利用することができる。

ん!? 16? そう、それでもたった16軒。

全米でもLAで6軒、ホノルルで2軒を含め、

わずか33軒にしかインストールされていない。

でも、「おしりを洗う」という

「新しい文化習慣の浸透」マーケティングメッセージを

投下する「特別な場所」として、

レストランを選ぶのは正鵠を射ている。

TOTO USAサイトの

Try a Washletページ(→クリック)

を見れば、どこのレストランで

利用できるのかがわかる。

ぼくが推察するに、この一覧を

熱心に見るのはおそらく

現地に住んでいる日本人じゃないか

とも思うが(笑)。

そう、マーケティング・メッセージを投下する

ために最も有効な「特別な場所」の

選定は重要だ。

公文式はいまや全世界ブランドだが、

英国では95%の学習センターを教会に

置いている。

英国は景観の問題で、大きな看板を

掲げられない。

しかし、というか、だから、というか、

人は教会に掲示される小さな「今日の

催し」に注目する。

公文式にとってのマーケティング的

特別な場所は、教会なわけだ。

あたま、いいよね!

*参考:『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?』

安西洋之&中西鉄太郎、日経BP社刊