ある婦人がパリを散歩していたら、カフェにピカソがいるのを見かけた。
パブロ・ピカソその人である。
婦人は図々しくもピカソに言った。
「ピカソさんですよね? わたくしを描いてくださいませんこと?」
ピカソは応じ、数分後、婦人の手にオリジナル・ピカソがあった。
「いかほどお支払いすればよろしいかしら」
「5,000フラン」
「でも、たった3分ですわよ」
「何を言ってるんだ」ピカソは言った。
「これは、オレの人生だ」
ブランドとは、こういうものだ。
・単位時間あたりいくら・・・
・だいたい相場はこんな金額だから・・・
NO!
あなたが提供する創造価値に、プライシングしよう。
原価+マージン=売価
なんていうのは製造業全盛時代の方程式だ。
にもかかわらず、いまだに多くのソフトウェア産業がこの方程式で
プライシングしている。
愚の骨頂である。
原価1,000円でも10,000円で売れる製品がある。
原価10,000円かかっていても、タダでも要らない製品がある。
たとえば、いまぼくに、親切な友人が
「郷ひろみ全集ワンセット40,000円するんだけど、タダであげるよ」
と言ってくれても、丁重にお断りするだろう。
「わたしに値段をつける!?」ブランド・プライシングワークショップ
は9月2日日曜日、JOYWOW横浜本社で開催します。
詳細は、また、後日ここでご案内します。
*ピカソのエピソードは下記文献より引用しました。翻訳・阪本
Selling the invisible, Harry Beckwith, Warner Books, p.137-138


コメント
コメント一覧 (7件)
すっごくよくわかります!
早く『原価+マージン=売価』から脱却できるように勉強中(^^;
エリーの会社が売っているのは「celebration」を売っています。カップ、トロフィーはその手段です。
よそにない製品ラインアップと提案力をメキメキつければ、完璧なブランド・ビジネスモデルになると思います。
熱中症でダウンしているおしょうでございます。
ソフトウェアの値段、難しいですね。
欲しいソフトはだいたいフリーでダウンロードできてしまう状況になりました。CD1枚が100万円!と驚く人達もいます。自分の技術力を安売りする同業者もいます。能力のない人の1人月と、優秀な技術者の1人月の価値が正しく評価されません。(正しくは評価してもらおうという姿勢が特に優秀な技術者に不足しています)
上記の事柄に共通するのは機能としてソフトウェアを扱ってしまうところだろうと思います。残念ながら、大抵のユーザーは機能や性能については良いに越したことはないけど重きを置いていません。「もっと精度をあげてくれ」とか「この機能を追加してくれ」とか顧客は言いますが、それを真に受けて必死に対応しているエンジニアがいかに多いか。経験的にはこのがんばり?は金になりません。
ソフトウェアエンジニアに今後望まれるものそして金になるのは、恐らく要件定義能力と出口つまり顧客の目に触れる部分の表現能力・芸術性だと思います。さらにシステム全体のデザイン力(ここでのデザインとは顧客にとってのシステムの価値説明。)機能性能はまあ自信があるのでそれをどういかせるか悩みたいと思っています。
こんなことを言っていると、近くにいるエンジニア達に袋叩きにあいそうですが。
来週はこの辺りの話もお願いしたいと考えております。
和尚、熱中症、お大事になさってください。
バードアイで、業界全体を見渡してみましょう。
各論も重要ですが、総論では何をしたいのか、何をいま、しなければならないのか。
全体観ある視点で、見てみましょう。
来週、楽しみです。
この話は、私にとって最も頭が痛い問題です。
クライアントの状況で、特に収益の改善が難しいなかでの業務改善が多いので、つい安く請けてしまいがちです。この部分を変えるためには、自分のなかでの価値観の棚卸しが必要ですね。
ということで、宿題に悶絶しています(笑)
TM、サービスをとんがらせることです。
他にない解決策、他にない提案、他にないサムシング。
理論上は、仮にクライアントが借金してでもTMのサービスを買って、そして借金以上に収益改善すれば済む話ですよね。
「そんなの無理?」
いえいえ、make a different tomorrow!
我々の強みって何? 客観的に見るって、なかなかできない。
これが明確になれば、思いっきりとんがる事ができるんだろうな。