近所で立木に「BAR▶︎」と看板を掲げているのを見た。

「こっちがうちのBARです。来てね」

という意図だろう。

これを見たとき、言いようのない怒りを覚えた。

「せやから、勉強不足やねん!」

と。

「うちの店はこっちにあります。来てね」

とお客さんに知らせている。

ここが根っこから間違っている。

SNSは、「小さなドヤリング」の積み重ねで成り立っている。

そして、現実は人間の頭脳の中にしか存在しないはずのSNSに支配されつつある。

・スターバックスでMacBook Airで仕事しているイケてるオレ、ドヤ!

・ブルーボトルコーヒーに座っているわたし、ドヤ!

・これからニューヨーク出張。日米行ったり来たり、ああ忙しい、ドヤ!

・こんな本を読んで、勉強している、ドヤ!

・素敵な、セレブっぽいレストランで食事してますのよおほほ、ドヤ!

・靴買いました。ドヤ!

・社員から誕生日を祝ってもらって、こんなにプレゼントのお花が、ドヤ!

・こどもが似顔絵描いてくれました、苦労もするけど、こどもの成長が励みになります、ドヤ!

・エリック・クラプトンのライブに来ています、ドヤ!

・テスラ買いました。環境コンシャスなわたし、ドヤ!

・・・・

こういう小さなドヤリングに「わかった。わかったぞ!」という意図で、「いいね!」

を押して応える。

2万円以上するトースター(そういえば製品名『ザ・トースター』の『ザ』は、ドヤ!という

意味である)や37,800円する扇風機(→クリック!)

が売れるのは、

「話題のトースター、やっと我が家のキッチンにやってきました。ドヤ!」

「高かったけど、風が違うよ。ドヤ!」

というドヤリング心理をうまく突いたマーケティング&ブランディング

&広報戦略(→クリック)の結果である。

つまり、ドヤリングの時代では、店は、自分で場所を伝えてはいけないのである。

客に探してもらわなければならない。

ここのところがわかってない、勉強不足だと怒ったのである。

新旧二台のMacBook Airを並べたぼくのドヤリング

新旧二台のMacBook Airを並べたぼくのドヤリング