旭川ツアー最終日、アテンドして戴くひるてつ(蛭田哲生氏)、
ロスリス(小笠原友子氏)、かもきょん(蒲地 恭子氏)と
朝、集合した時、ロスリスがおいしいクロワッサンを持ってきて
くれた。ぼくはクロワッサンはあの油のおかげか、一つ食べれば
十分なのだが、ロスリスクロワッサンはおいしくて、立て続けに
3つ平らげちゃった。どこの? と聞くと麦々堂(→クリック!音が出るのでご注意)
とのこと。早速、その日の行程に組んでもらって、出かけた。
住宅街の中の一軒家。玄関横にはねこの木製パネルがあって、
そのたたずまいはまるで宮沢賢治の童話に出てきそうな空気。
店内も、テイストがあって。
パン職人でもあるご主人と話ができた。
「こだわり」についてのぼくの質問に、「ありません」。
「こだわると、お客様も肩に力が入ってしまうから。ただ普通にパンを焼くだけです。
ご覧のように狭い厨房ですから、器械を入れられないので、手ごねで」
なるほど! と思わず膝を叩く思いだった。まさに直球だ。
おいしいパンを、ただ、普通に、焼く。
シンプルでいて、これほどストライクに来るものはない。
サイトや商品チラシを見る限りでは、こだわってないはずがないんだけど、
「それはお客様に言うもんじゃない」との美学なのだろう。
ややもすると店サイドのこだわりってやつは押しつけになる。嫌みになる。
直球で、いいと思う。特に麦々堂のように、店自体が相当のこだわりオーラを
出しているところは、ね。
「シンプルにパンへ集中」というメッセージによるコミュニケーションがいいね。
ここで思い出したのが、旭川ではなく、他府県にある、某・児童書専門店。
『ちびくろサンボ』など、昔ながらの定番が揃っていて、とても納得しながら
店内を楽しんでいたのだが、興ざめしてしまうのに出会った。
原発反対関係の大人向けの本が平積みになっているコーナーがあるのだ。
混ぜてはいけない。原発に賛成しようと反対しようと構わないが、自分ちの
提供価値は「児童書」なわけで、混ぜてしまってはいけない。
この、直球、シンプル、混ぜない、という三点セット。
外しちゃいけないルールだと思う。