メールアドレスを買ってもあなたのビジネスのためにならない理由。
10,000人のアドレスを20万円で買ったとする。
あなたは10,000人にメールを送り、サイトへ誘導する。
キャッチは「特別ご奉仕価格! 全商品20%引き!」
10,000人のうち、届いたメールを開封する人は1%。
「いやいや、これはスパムじゃないし、オプト・インで、
パーミションをベースにしているよ。だからもっと
開封してくれるはず。20%から30%は・・・」
あなたはそう反論するかもしれない。
しかし、メールを受け取った人は、あなたのお店やブランドにとって
「見知らぬ通行人(stranger)」なのである。
メールの差出人を見て、「?」なのだ。
だから、メールは削除されるか、ゴミ箱行きとなる。
それでも、あなたの日頃の行いが良くて、1%、
つまり10,000人のうち100人がメールを開封してくれたとしよう。
その中であなたのサイトを訪れ、カートに商品を入れて
買ってくれるのもまた1%。
つまり、1人。
商品が1万円として、売り上げが1万円。
20万円の投資で、1万円のリターン。
そして、顧客資産が増えただろうか?
実際に購買してくれた人、1人。
メールを開封したけど買わなかった人、99人。
これら100人は、かなり希望的にみて「顧客」と「見込み客」。
顧客数は、かなり甘く見て100人増えたことになる。
一方、こういう方法はどうか?
メールアドレスを買ったと思って20万円を別に投資する。
あなたのサイトのお得意様(過去3回以上購買履歴がある人)が100人いるとする。
彼ら一人当たり2,000円のキャッシュバックをしてさしあげる。
具体的には、お得様限定企画で、何か買ってくれたらすべて2,000円引き
とする(2,000円以上のお買い物に限る)。
ほら。
同じマーケティング予算を使うなら、見知らぬ通行人に使うより、
忠実な顧客に報いたほうが、経営を支える顧客ダムを強化すること
になるのだ。
「いやいや、メール開封率はやっぱりもっと高い。
実際のレスポンスレートはもっと高いよ!」
という反論が来るかも。
でもね。
ここで重要なのは、%の数字じゃない。
あなたのお店とブランドに対する「親しみ」の
ない人に向けてマーケティング努力(予算・エネルギー)する
ことの効果のなさを言いたいのであり、
どうせなら、忠実な顧客に報いるほうがよほどリターンは
高いし、お互いにとってハッピーだという話です。
商売はモノを売るだけじゃない。
顧客との対話こそが、商売の醍醐味なのだから。
You, OK?


コメント
コメント一覧 (8件)
ついつい新規、新規と躍起になりがちですね? 目の前のお客さんも満足させられないで、新規のお客さんがファンになってくれるわけないか。
目の前のお客さんとの対話が、最も投資効果の高いマーケティングだと思います。
私は新規のお客様全てがお客様からの紹介になるような仕組み・アイデアが一番の成功の近道だと感じてます。そこ(お客様に喜んで頂けること)に予算を投じる。もしかしたら利益は後回しになるかもしれませんが、手軽に利益になるだろう!は浅はかと言いますか勘違いされてると感じました。本質をもっと理解すべきだと思いました。まさに啓ちゃん先生がおっしゃるマーケティングとは主観的な心理学ですね!!!
まっちゃん、おっしゃるように、マーケティングは時間のかかるものだと思います。「簡単に」「いますぐ!」というのは、あり得ない。マーケティング施策を考えたとき、結果が「簡単に、いますぐ」出てきそうなアイデアなら、再考したほうが良いと思います。
この手の「メルアド買いませんか?」メールがしょっちゅう届きます。また、最近特に多いのが、「お世話になります。●●です。」から始まる、一見知り合いかと思わせるようなWEBコンサルタントを名乗る方からのメール。全て未開封で迷惑メール設定してます。
これはひどい例かもしれませんが、反面教師として学ぶべき点はあると思います。
うちでは、広告の見直しをして、その分の予算を既存のお客さんのために使うことにしました。
ただ、広告は麻薬のような面もあり、一度定期購入してしまうと、無くすのが怖くなります。話がそれましたが、広告との上手な付き合い方が課題だとかんじています。
見知らぬ通行人(stranger)をともだち(friend)に、ともだちを顧客(customer)に、顧客を優良顧客(loyal customer)に、というステップ。それぞれのステップ・スイッチを、何によってするのか。これがマーケティングです。従来の広告はひたすら、見知らぬ通行人を呼び止め、こっちに振り向かせることが目的でした。ネットによる産業革命が起こっているいま、広告のパワーはますます失われていると思います。
最近よく先生のお話に出てくる【e-mailをMe-mailへ】というコンセプト、本当にいいな~と思います。
そしてそれと同時に、この迷惑なメール達のせいで見落とされる可能性があることが非常に難儀します。
(特にPCメールの場合、PCがあまり得意で無い方の場合、久々に起動してドカっと受信して見落とされることもよくあるので数日してさりげなく電話する場合も。)
時間も手間もかかりますが、それぞれのお客様に合わせた対話方法をしっかり見極めて使い分けることが重要だなと思います。
そうですね。「何のメディアを使えば一番つながりやすいか」を知っておく、という点も、今後のマーケティングでとても重要だと思います。ケータイ電話が一番の人、ケータイメールしか使わない人、フェイスブックのメッセージが一番だというひと・・・。「自分が使いやすい」ではなく、「相手に伝わりやすい」がポイントですね